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Uber、空飛ぶタクシー部門の売却発表 自社開発に幕

ウーバーが開発中だった空飛ぶタクシーのイメージ(同社提供)

【シリコンバレー=白石武志】米ウーバーテクノロジーズは8日、「空飛ぶタクシー」の開発部門をトヨタ自動車などが出資する小型航空機メーカー、米ジョビー・アビエーションに売却することで合意したと正式発表した。ウーバーは自社開発を断念する代わりにジョビーに7500万㌦(約78億円)を追加出資し、サービスの実用化で連携する。

ウーバーは垂直離着陸が可能な小型航空機を使ったライドシェアサービスの開発部門「エレベート」を2016年に立ち上げ、米ダラスやロサンゼルスなどで23年の商用化を目指していた。大都市の渋滞を避けられる移動サービスとして期待されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で人々の移動が減り、ニーズは大きく減退していた。

ウーバーは7日には自動運転技術の開発子会社のATGを米同業のオーロラ・イノベーションに売却すると発表していた。ウーバーはコロナの影響で本業のライドシェア事業が低迷。先行投資がかさむ先端技術の自社開発から撤退し、ライドシェアや料理宅配サービスの収益改善に注力する考えだ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院などで講師を務めるルー・シプリー氏は「自動運転市場はまだ黎明期にある」と言い、「パンデミックのまっただ中にあるウーバーが中核的な市場を守りながら、(自動運転分野における)努力を放棄したのは驚きではない」と指摘する。

一連のリストラ策を株式市場は好感している。両事業の売却観測が米メディアで報じられ始めた11月以降、それまで低迷していたウーバー株は上昇基調に入り、19年5月の上場時の公開価格(45㌦)を上回って推移するようになっていた。

ジョビー・アビエーションが開発中の垂直離着陸機(同社提供)

ジョビーは09年の設立でカリフォルニア州に本社を置く。従業員数は約500人。5人乗りの垂直離着陸機の開発などを手掛けている。20年1月に実施した資金調達ではトヨタから3億9400万㌦の出資を受けたことを明らかにしていた。

ウーバーは19年にジョビーが開発中の小型航空機を調達することで提携しており、同社が20年1月に実施した資金調達では5000万㌦を出資していた。今回の合意ではエレベート部門の知的財産や100人弱の人材などを譲渡するのと引き換えにウーバーはジョビーに7500万㌦を追加出資する。規制当局の承認後、21年初めにも取引を完了する。

ジョビーは自社開発中の小型航空機を使った移動サービスを早ければ23年にも実用化するとしている。将来的にはウーバーのライドシェアアプリでジョビーの空飛ぶタクシーを手配できるようにするなど、両社はサービス開発で連携を続ける。

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