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ブラジルのルラ元大統領、有罪判決無効に レアル急落

(更新)

【サンパウロ=外山尚之】ブラジル連邦最高裁は8日、収賄罪などで有罪判決を受けたルラ元大統領(75)の過去の司法手続きを無効とする判決を下した。2022年の大統領選への出馬が可能となるとの見立てから、左派ポピュリズム(大衆迎合主義)の復権に対する警戒感が高まり、通貨レアルは大幅に下落した。

ルラ氏は国営石油会社ペトロブラスを舞台とした大規模な政界汚職に関与した疑いがもたれ、収賄やマネーロンダリング(資金洗浄)など複数の罪状で有罪判決を受けていた。最高裁のファキン判事は、地裁の判事として一連の公判を指揮したモロ前法相について、事件を分析するうえで「法律上の権限がなかった」と指摘した。

モロ氏はルラ氏を有罪に追い込んだ実績で、ルラ氏と政治的に対立するボルソナロ政権の法相に選ばれた経緯がある。そのため、政治的な意図を持っていたとの批判が根強くあった。

03年から2期8年大統領を務めたルラ氏は資源価格の高騰や海外からの投資流入で得た富を低所得者層に分配する政策で高成長を実現、今でも高い人気を誇る。ブラジルでは2審以降で有罪判決が出た場合、大統領選に出馬できないが、今回の判決により22年の大統領選への出馬の道が開かれたこととなる。

ルラ氏が復権すればバラマキ的な政策が復活し財政赤字が拡大するとの懸念から、8日の外国為替市場でレアルは大きく売られ、対ドルで前週末比3%近い下落となった。

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