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米コロニアルCEOが証言 身代金支払い「苦渋の選択」

(更新)
米上院で証言したコロニアル・パイプラインのブラウントCEO(8日)=AP

【ニューヨーク=中山修志】米コロニアル・パイプラインのジョセフ・ブラウント最高経営責任者(CEO)は8日、5月上旬に被害を受けた燃料パイプラインへのサイバー攻撃について米議会上院の公聴会で証言した。犯行グループに身代金を支払ったことを正式に認め、「苦渋の選択だった」と語った。

コロニアルが運営する米東海岸の燃料パイプラインは、5月7日にロシアを拠点とする犯罪集団「ダークサイド」からのランサムウエア(身代金要求ウイルス)攻撃を受け、操業が約1週間停止した。同社はシステムの復旧後、攻撃を受けた直後に暗号資産(仮想通貨)のビットコインで440万ドル(約4億8000万円)相当をダークサイドに支払ったことを明らかにした。

公聴会では議員から、身代金を支払った経緯について質問が集中した。ブラウントCEOは「私が独自に判断した。これまでで最も難しい判断だった」と証言した。議員からは支払うべきではなかったとの指摘も出たが、「パイプラインの停止が数週間、数カ月に及ぶリスクを考慮した。正しい判断だったと考えている」と主張した。

支払いの是非を捜査当局と協議すべきではなかったかとの質問には、「決めるのは企業であり、サービスを最短で復旧するための選択だった」と返答した。米連邦捜査局(FBI)が身代金を支払わないよう勧めたかという問いには「私はやりとりを承知していない」と答えた。FBIには身代金を支払った事実を伝えたものの、サービス復旧に集中するため外部への公表は控えたという。

議員からはセキュリティー対策の甘さを指摘する意見も出た。ブラウント氏は「企業として責任を感じており、国民生活に影響を及ぼしたことをおわびする」と謝罪した。システムのセキュリティについては、攻撃に対して有効とされる多要素の認証方式ではなく、パスワードのみでアクセスできる方式だったと明らかにした。

一方、過去5年間でシステム強化の投資を続けてきたと釈明。「サイバー攻撃の拡大は民間だけで解決できる問題ではない」と強調し、被害防止には官民の協力が重要だと主張した。

ブラウント氏は9日に米下院の公聴会でも証言する。

ホワイトハウスのサキ大統領報道官はコロニアルの事件後、「FBIは身代金の支払いを推奨していない」との見解を示した。米司法省は7日、コロニアルがダークサイドに支払った身代金の大半を押収したと発表した。

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