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米経済「拡大ペース鈍化」 地区連銀報告、デルタ型余波

(更新)
レストランで食事を楽しむ消費者(米ニューヨーク市)=ロイター

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が8日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、7月上旬から8月にかけて米経済は「拡大ペースがわずかに鈍化した」と総括した。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の流行で飲食、旅客、観光業の活動が弱まったほか、供給制約や人手不足で成長が鈍った産業もあった。

同報告によると、経済拡大ペースは、前回の「力強さを増した」から、今回は「緩やか」に表現が変わり、景気判断を引き下げた。製造業、輸送業、金融以外のサービス業、住宅不動産は好調だったが、デルタ型の感染拡大による懸念の高まりや国際旅客制限の影響で、接客サービス業に悪影響が表れた。

ダラス連銀地区は「秋に出張やイベントの力強い回復を期待していた企業がコロナ再流行で見通しを引き下げた」と報告し、「先行き不透明感から需要が鈍化した」との人材派遣業の声も伝えた。

半導体不足で自動車販売が落ち込んだほか、物件不足から住宅販売が低迷したものの、需要の弱さが原因ではないとの認識を示した。個人消費は一部でやや弱まったが、全体では緩やかに増えた。

ペースにばらつきはあるが、雇用はすべての地区で引き続き増加した。全地区が「著しい労働力不足」を指摘した。「デルタ型の感染増で職場復帰の計画が先延ばしされている」と報告する地区もあった。労働力不足で賃金は上昇しており、低賃金労働者の賃金上昇に「特に勢いがある」とした。人手確保をめぐる競争が激しくなっており、クリーブランド連銀地区のトラック運送業者は「今年すでに5回賃上げした」と報告した。

物価上昇は強い伸びを保った。材料不足で仕入れ価格の上昇圧力が広範囲にわたって続き、金属、金属製品、貨物・輸送サービス、建築資材が著しく高騰した。企業はコストの転嫁がしやすくなっていると感じており、一部地区は「今後の販売価格の大幅な引き上げを予定している企業もある」と報告した。

セントルイス連銀地区では、コンクリートが数カ月で2割近く値上がりし、「資材価格の高騰が落ち着くまでプロジェクトを一時中止する建設業者もでている」と指摘した。

同報告は8月30日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が経済動向をまとめたもので、21~22日に開く次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料になる。

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