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米下院、仮想通貨6社トップ招集 規制巡り意見聴取

(更新)

【ニューヨーク=宮本岳則】米議会下院の金融サービス委員会は8日、暗号資産(仮想通貨)関連企業6社の経営トップを招いた公聴会を開いた。米財務省などは、法定通貨を裏付けにした「ステーブルコイン」発行企業の監督体制を整えるため、議会に立法措置を要請している。公聴会では投資家保護を重視する与党・民主党と、規制強化を嫌う野党・共和党の温度差が浮き彫りになった。

米議会が複数の仮想通貨関連企業トップを招いて意見聴取の場を設けるのは初めてだ。トランプ前政権で米通貨監督庁(OCC)長官代行を務め、現在は技術開発会社ビットフューリーグループ最高経営責任者(CEO)のブライアン・ブルックス氏や、米仮想通貨交換所コインベース・グローバル最高財務責任者(CFO)のアリシア・ハース氏、ソフトバンクグループが出資する交換所FTXのCEO、サム・バンクマン・フリード氏らが出席した。

イエレン米財務長官や米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長など米金融規制当局トップで構成する大統領直轄の作業部会は11月に公表した報告書で、ステーブルコイン発行会社は銀行として実質的に扱われるべきだと総括した。規則や監督体制の整備には、議会による立法措置が必要になっている。SECのゲンスラー氏はこれとは別に仮想通貨交換所を監督するための権限強化を議会に求めている。

今回の公聴会は立法措置に動く前の意見聴取の位置づけだ。金融サービス委員長、民主党のウォーターズ下院議員は公聴会の冒頭で「従来のルールがどう適用されるのか、規制当局が投資家や消費者を保護するために十分な権限を持っているのかについては、いくつかの疑問が残っている」と述べた。デジタル資産活用によるイノベーションを認めつつも、金融システムへの影響を見極めたいという。

一方、共和党は伝統的に自由市場を重視し、規制強化には反対の立場をとる。同委員会の共和党トップ、マクヘンリー下院議員は暗号資産を「次世代のインターネット」と評価したうえで、「(仮想通貨を)理解する前に規制しようとする動きは、米国の創意工夫を阻害し、競争上不利な立場に追いやるだけだ」と主張した。米民主党内の規制強化論をけん制した形だ。

コインベースは米政府による単一の規制当局設立を提唱し、議会への働きかけを始めている。現行の枠組みでは仮想通貨事業を監督する米当局が複数存在し、わかりにくさが指摘されている。ハースCFOは公聴会で「暗号資産の変化に常に目を向けている機敏なグループが必要だ」と訴えた。議員からは企業を支援する発言も目立ち、業界をあげたロビー活動が活発になっていることをうかがわせた。

立法措置のスケジュールは明らかになっていない。上院の銀行委員会は14日にステーブルコインの機能やリスクに関する公聴会を予定する。米ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、同委員会トップで仮想通貨に批判的な民主党のブラウン上院議員は、公聴会が法制化に向けた「一歩」になると述べ、イエレン米財務長官やゲンスラーSEC委員長と協力していると明かした。

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