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米、コロナ入院患者再び増加 医療逼迫で手術延期も

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【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で新型コロナウイルスによる入院患者が再び増加してきた。デルタ型による感染拡大ペースが加速し、新規入院患者数も1カ月前に比べて3割増えた。東部や中西部を中心に医療システムが逼迫し、緊急性の低い手術の延期などの対応に追われている。

米ジョンズ・ホプキンス大のまとめによると、米国の9日の新規感染者数(7日移動平均)は約11万8000人。感染が一時期落ち着いていた10月下旬に比べると7割近く増加している。米疾病対策センター(CDC)によると、デルタ型が大半を占めている。

新規感染者数の急増とともに、入院患者数も再び増え始めた。CDCによると、8日の入院患者数(同)は約5万4000人。およそ7週間ぶりに5万人を超える日が続いている。感染が広がる東部や中西部などで医療機関の病床が埋まりつつある。

東部ニューヨーク州は病床の空きが1割を下回る約30病院で緊急性の低い手術を1月中旬まで延期している。新型コロナワクチンの接種割合が低い北部の病院が多い。新規入院患者数は今年4月以来の水準まで増加しており、集中治療室(ICU)病床の占有率が100%となる病院も目立つ。

同州のホークル知事は11月26日、州内の感染者急増を受けて非常事態を宣言した。逼迫する病院での手術の延期もこの一環で、コロナ患者をより多く受け入れる狙いがある。東部コネティカット州も2週間前に比べて入院患者数が8割増えた。

中西部ミシガン州も病床不足が深刻となっている。米紙ニューヨーク・タイムズによると、人口10万人あたりの新規入院者数は全米で最も多い。ICU占有率は88%と全米平均(76%)を大幅に上回る。

ある病院ではICUが満床となり、廊下にベッドを配置し対応しているという。入院患者の8割は未接種者だ。連邦政府は今月から医師や看護師らからなる緊急医療チームを派遣し、疲弊する現場の支援に入っている。

「なんて暗い一日だ」。東部メーン州疾病対策センターのニラブ・シャー博士は6日、ツイッターでこうつぶやき、ICU患者や人工呼吸器を着用する患者が記録的な数になっていることを明らかにした。

地元メディアによると、州最大規模の病院のICU患者のうち未接種者は9割を占める。接種済みの患者の大半は高齢者で基礎疾患を持っているという。メーン州をはじめ各州で人手不足の病院に州兵を派遣する動きも広がっている。

米国では年末年始まで人の集まりや往来が活発になる「ホリデーシーズン」となる。デルタ型のほかに新たな変異型「オミクロン型」も少なくとも23州で確認され、冬の流行期へ危機感が高まっている。

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