米ファイザー、血液疾患治療薬の米社買収 7200億円

【ニューヨーク=吉田圭織】米製薬大手ファイザーは8日、血液疾患の治療薬を開発する米グローバル・ブラッド・セラピューティクスを買収すると発表した。買収額は負債を含めて54億ドル(約7200億円)。新型コロナウイルスのワクチンや治療薬は販売の減速が見込まれており、幅広い分野での買収を通じ収益力を高める。
ファイザーはグローバル・ブラッド社の株式1株について現金68.5ドルを支払う。米サンフランシスコに本社を置く同社は、遺伝性の血液疾患「鎌状赤血球貧血」の治療薬などの開発で強みを持つ。治療薬「オクスブライタ」の2021年の売上高は約1億9500万ドルだった。
ファイザーによると、鎌状赤血球貧血の患者は世界に数百万人おり、アフリカや中東、南アジア系の人に多い。
ファイザーの22年4~6月期決算は売上高が約280億ドルと四半期として過去最高を記録したが、6割が新型コロナウイルスのワクチンや治療薬だった。同社は新型コロナ関連で得た資金でM&A(合併・買収)を加速し新しい分野の開拓を急ぐ。5月には片頭痛の治療薬を開発するバイオヘイブンの買収を発表した。ファイザーはM&Aなどを通じて売上高を2030年までに250億ドル積み増す。