米高官、ロシア核使用「差し迫った兆候ない」

【ワシントン=坂口幸裕】米ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は7日、ロシアが核兵器を使う準備に動いている兆候はないと明かした。バイデン大統領が6日に核戦争の脅威が1962年のキューバ危機以来、最も高い水準にあるとの認識を示したのを受け、記者団から脅威が差し迫っているかどうかを問われて答えた。
バイデン氏はニューヨークでの民主党会合で「このままではキューバ危機以来となる核兵器の脅威にさらされることになる」と述べた。小型の核兵器でも安易に使えば「アルマゲドン(世界最終戦争)に至らない能力などない」と語った。
ジャンピエール氏はバイデン氏の発言の真意を聞かれ「大統領の発言は一貫している。つまり核兵器に関する脅威をいかに真剣に受け止めているかを改めて強調した」と説明。米国が戦略的抑止態勢を変更する理由はないと指摘した上で「ロシアによる核への言及は無謀で無責任だ」と批判した。
米国務省のパテル副報道官は6日の記者会見で「米国は核兵器を使用した場合に起こる壊滅的な結果について、ロシアと直接意思疎通している」と訴えた。
ロシアのプーチン大統領は9月30日、一方的に4州の併合を宣言した演説で「すべての手段を使用し(国土を)守る」と話し、核兵器を使う可能性を示唆した。4州への攻撃はロシア領への攻撃とみなし、米欧が軍事支援するウクライナが攻撃すれば核兵器で対抗すると威嚇する。

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻しました。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
■戦況
■マーケット・金融への影響
■ビジネスへの影響