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ホンジュラス外相「米国はFTA見直しを」台湾関係は維持

【ロサンゼルス=清水孝輔】中米ホンジュラスのエンリケ・レイナ外相は7日、米ロサンゼルスで日本経済新聞の取材に応じ「米政府に中米自由貿易協定(CAFTA)の再交渉を求めた」と明らかにした。米国産の穀物に対する関税など輸入条件を厳しくすることで、自国の農家の保護をめざす。移民問題の解決策として米国側に受け入れさせたい考えだ。

ホンジュラスは人口が約990万人の小国で、主力産業は農林水産業だ。シオマラ・カストロ大統領が2021年の大統領選でこれまで国家承認してきた台湾と断交して中国と国交を結ぶ方針を示したが、就任後は撤回して対米関係を重視する方針を打ち出している。

自由貿易圏を中米に広げる狙いで締結されたCAFTAにはホンジュラスやコスタリカなど中米5カ国とカリブ海のドミニカ共和国が加盟している。レイナ氏はCAFTAの見直しについて「すでに米国側に要請しており、回答を受け取り次第交渉を始める」と答えた。米国産のトウモロコシなど価格が安い穀物がホンジュラスに輸入する際の条件を厳しくしたい考えだ。

レイナ氏は「農家が失業すれば都市に移り、それでも仕事が見つからなければ移民として外国に向かう。移民問題は根本原因の解決が必要だ」と指摘した。ホンジュラスの産業が保護されれば母国を去る国民が減ると米国側に訴え、譲歩を引き出したい考えを示した。

ホンジュラスは米国をめざす移民の主要な出身国の一つだ。米税関・国境取締局(CBP)によると、ホンジュラス出身の不法移民の拘束者数は21会計年度に31万9324人と19会計年度と比べて22%増えた。レイナ氏は「移民対策は構想から具体的な取り組みに落とし込む必要がある」と話し、米州首脳会議で議論する考えを示した。

ホンジュラスは対中関係をめぐって米国に揺さぶりをかけてきた。同国のカストロ大統領は21年の大統領選で、「即座に中国と外交・通商関係を結ぶ」と発言し、現在外交関係を結ぶ台湾と断交する方針を示した。だが米政府高官がホンジュラスを訪れて台湾との外交関係を維持するように求めると、方針を撤回した。

レイナ氏は「台湾との歴史的な外交関係を続ける。現時点では中国と関係を深めようとするのは優先事項ではない」と述べた。外交で米国の要請に応じる一方、経済面で米国から協力を引き出す狙いがあるとみられる。

ホンジュラスの中央銀行によると、20年時点で同国の貿易額は輸出・輸入ともに米国が3割超を占めている。中国は中米各国に対して経済協力を積極的に進めているが、ホンジュラスの経済構造は米国に依存した状態が続いている。

Enrique Reina 2009年にクーデターで失脚したセラヤ元大統領のもとで外務副大臣を務めた。セラヤ氏の妻である現職のカストロ氏が13年の大統領選で落選した際にも政党の広報責任者として同氏を支援した。22年1月から現職。

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