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「権力しがみつき失脚」 欧米紙、ジョンソン氏に厳しく

【ニューヨーク=大島有美子】ジョンソン英首相が7日に辞意を表明したことを欧米紙はトップ級の扱いで報じた。「必死に権力にしがみついたが、米トランプ前大統領と同様にしがみつくほど失脚していった」(英エコノミスト誌)。ジョンソン氏に対して手厳しい論評が目立った。後任に求められることとしてブレグジット(英国の欧州連合離脱)からの軌道修正やウクライナ支援継続などが挙がった。

「英国が再出発する機会だ」。米紙ワシントン・ポストの論説委員会は見出しでこうつづった。ジョンソン氏がジャーナリストとして活動していた頃から「真実を覆い隠す習性があった」と指摘。政権の不祥事が相次ぎ「彼を降ろそうとする党内の動きにあらがいきれなかった」とした。後任が抱える課題として「ブレグジットの軌道修正と英経済の活性化」を挙げた。

独フランクフルター・アルゲマイネ紙は「ジョンソンのようなポピュリストにとって、彼の人気が無くなるとは最後まで考えられなかった」と指摘。相次いだ不祥事や二転三転した釈明が辞任につながったことで「自分の性格で失敗した」と評した。

英エコノミスト誌は「ジョンソン氏は直ちに立ち去るべきだ」と批判した。インフレと低成長、高齢化と問題が山積するなか、指導者の交代だけでは英国の軌道修正は難しいと強調。「問題は1人の人間より根深い。与党が事実を直視する勇気を持たなければ、英国の社会的・経済的困難は悪化する」と警鐘を鳴らした。

2月のロシアによるウクライナ侵攻後、ジョンソン氏は主要7カ国(G7)首脳で初めてウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪ねるなど、積極的な支援で指導力を発揮していた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によるとウクライナのゼレンスキー大統領は7日にジョンソン氏と電話会談し「悲しみをもって(辞意の報を)聞いた。援助に感謝している」と述べた。

仏紙リベラシオンは「(ジョンソン氏は)ここ数カ月は国内問題を打ち消そうと、ウクライナに大きな軍事支援をしてきた」と分析する。もっともウクライナに関しては積極的な支援方針が継続されるとの見方が強い。FTは「英国のウクライナへの強い支持は、次の首相が誰になろうと超党派で強く一致したものだ」とつづった。

ウクライナ支援に積極的だったジョンソン氏に対し、ロシアメディアは「彼は我々を好きではないが、我々も彼を好きではない」と述べたペスコフ大統領報道官のコメントを紹介した。ロイター通信はロシアの政権幹部が「道化師が去っていく」と述べたことを報じた。

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