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5月の米求人、過去最高の920万件 需給のミスマッチ続く 

求人広告を掲げる自動車整備サービス店(米イリノイ州)=AP

【ワシントン=長沼亜紀】米労働省が7日発表した5月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人件数(季節調整済み、速報値)は、下方修正された前月から1万6000件増の920万9000件となった。増加幅はわずかだが、3カ月連続で過去最高を更新した。一方、採用数は前月より減っており、労働市場で需給のミスマッチが続いている。

求人率は6.0%で過去最高となった前月と同水準だった。求人率は、雇用者と求人の合計に対する求人の割合で、これが高いほど企業が埋めようとしている空席の職が多いことを示す。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年4月には3.4%まで下がったが、経済再開を受け急上昇している。

業種別の求人率では、観光や旅行の急速な需要回復を受け、宿泊・飲食サービス業が9.1%(求人件数は124万8000件)、芸術・娯楽・レクリエーションが7.8%(同16万7000件)と高かった。求人率はコロナ治療以外の医療サービスが復活した医療ケアで6.9%に達した。労働需要の強い製造業(6.2%)や専門ビジネスサービス(同6.7%)なども高水準だった。

6月の雇用統計によると5月の失業者数は931万6000人で、求人数とほぼ一致する。ただ、5月の採用数は592万7000人で前月より8万5000人減っており、企業側の採用の難しさを示した。

米サプライマネジメント協会(ISM)の6月の調査では、製造業、非製造業ともに採用難のために雇用関連の指数は縮小圏に低下した。企業からは「需要に応えるだけのスタッフを集められず、一部は閉鎖もしくは時短営業している」(宿泊・飲食サービス業)、「原材料が手に入っても人手確保に懸念があり増産は難しい」(化学製品製造業)といった深刻な労働者不足を報告する声が相次いだ。人手不足が深刻なサービス業を中心に賃上げしたり、ボーナスを支払ったりする企業も増えている。

労働需要が強いにもかかわらず、採用が進まない背景には複数の要因がある。コロナの感染懸念が残っているのに加え、保育サービスの確保は依然として難しい。コロナ対策による失業保険給付の延長や積み増しで、労働者が就職を急いでいない点も指摘されている。

一部の州はすでに失業保険の特例措置を廃止した。9月には失業保険の特例措置が完全に失効するほか、学校再開も計画されていることから、労働市場の需給のミスマッチは徐々に解消に向かうとみられている。求人件数の増加は緩やかになっており、「経済再開に伴う(労働市場の)きしみは和らいでいく」との見方もある。

労働者の雇用市場への自信を示すとされる自発的離職者は5月に360万4000人だった。前月より38万8000人減ったものの、高水準を維持した。より好条件の職を探す人が多いとみられる。

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