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米欧、ガスの脱ロシア依存へ調達多様化 再エネ普及急ぐ

共同声明に明記 閣僚協議で合意

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【ワシントン=坂口幸裕】米国と欧州連合(EU)は7日、エネルギー協力に関する閣僚協議を開いた。欧州がロシアに天然ガスを頼るリスクが浮き彫りになったウクライナ危機を踏まえ、調達先の多様化を柱とした共同声明をまとめた。欧州のガス不足を想定して産出国が追加供給する交渉を急ぎ、再生可能エネルギーの普及で脱ロシア依存をめざす。

米欧のエネルギー協議会が7日に発表した共同声明で、ロシアによるウクライナ再侵攻に伴い「短期的にガスが途絶える事態に備え、世界の液化天然ガス(LNG)市場が追加的に多様な供給能力を保持するよう協力していく」と記した。「エネルギー供給を武器に地政学的手段として利用するのは容認できない」と批判した。

ブリンケン米国務長官は7日、ワシントンで開いた会合で、米政府は中東や北アフリカなど複数国に欧州向けガスの供給増を働きかけており「エネルギー安全保障が脅かされているウクライナを含め欧州全体への供給を強化する」と述べた。

バイデン大統領は1月31日、カタールのタミム首長とLNGの安定供給策を協議。ブルームバーグ通信によると、米国は日本や中国、韓国などアジアの消費国にも欧州へのLNGの融通を打診した。

米欧はロシアが再侵攻すれば大規模な金融・経済制裁を科す構えだ。ロシアが対抗措置としてウクライナを含む欧州向けのガス供給を絞り込む事態に備え、供給不足と価格高騰を回避する対応を迫られている。

ガスは主に発電のほか、暖房用にも欠かせない。途絶すれば欧州経済や市民生活に打撃となるのは避けられず、天然ガス輸入の4割をロシア産に頼る欧州の不安を和らげる。

声明では脱炭素社会の実現に向け「エネルギー移行の加速が市場変動の緩和を支え、安価で信頼できるエネルギーの利用を促進する」と強調した。中長期的にロシアへの依存度を下げるため、気候変動対策にもつながる再エネの利用を加速する対策を検討する。

会合では「再エネへの移行が早ければ早いほど、エネルギーの自立を実現できる」 (グランホルム米エネルギー長官)などの声が相次いだ。EUのボレル外交安全保障上級代表は「今回の事態を受け、欧州や世界の国がエネルギー調達を多様化する必要性が明確になった。クリーンエネルギーへの移行はもはや不可逆的だ」と話した。

米欧の協議会は2022年にエネルギー利用の移行に関する行動計画を作成する方針を示した。官民で洋上風力発電を普及させる計画を22年中にまとめるほか、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さない水素への転換を促す技術開発などを強化する方針を掲げた。

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