ファイザー、5~11歳へのワクチン接種を申請 米当局に
【ニューヨーク=野村優子】米製薬大手ファイザーと独ビオンテックは7日、両社が開発する新型コロナウイルスワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に5~11歳の子ども向けの緊急使用許可を申請したと発表した。承認されれば同年齢の子どもへの接種は米国で初めてとなり、より幅広い年齢層の免疫獲得につながる。FDAは26日に承認を審議する第三者委員会を開く予定だ。
12歳以上向けの投与用の3分の1にあたる10マイクログラム(マイクログラムは100万分の1グラム)を、3週間の間隔をあけて2回接種する。
9月下旬に公表した臨床試験(治験)のデータによると、接種後の抗体の平均値は通常量を接種した16~25歳とほぼ同等で、副作用の強さも同程度だった。治験には2268人が参加した。ファイザー製の主な副作用としては、注射部位の痛みや倦怠(けんたい)感、頭痛、発熱などがある。
FDAは26日に外部有識者が参加する第三者委員会を開き、5~11歳向けの承認を審議する。これを踏まえて、FDAが承認を最終判断する。早ければ10月末にも承認される可能性がある。
米国では現在12歳以上への接種が認められている。5~11歳が米人口に占める割合は9%で、2800万人以上となる。米疾病対策センター(CDC)によると、6日時点の米国のワクチン接種完了率は56%。
学校再開が進むなか、子どもの感染は深刻となっている。米国小児科学会(AAP)の調査によると、9月末までに子どもの感染者は590万人近くに達した。これまでの子どもの感染率は全体の16.2%を占めてきたが、9月末までの1週間については26.7%にまで上昇している。
ファイザーは欧州医薬品庁(EMA)や日本も含め、世界の規制当局への申請も進める。5歳未満を対象にしたワクチンの治験結果については、年末までに公表する予定だ。

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