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米、ワクチン接種率に地域・人種差 夏に感染拡大懸念も

(更新)
南部ルイジアナ州はワクチン接種率が4割未満だ=ロイター

【ニューヨーク=白岩ひおな】新型コロナワクチンの接種で先行する米国で、地域や属性によるワクチン接種率の差が浮き彫りになっている。接種者が人口の7割を超えることが集団免疫獲得の目安とされるが、南部ミシシッピやルイジアナ、ジョージアなど15州は成人の半数以下が未接種だ。黒人やヒスパニック系の接種率もなお見劣りする。休暇シーズンで人の移動が増える夏にかけて、接種率の低い地域や層で感染が再び広がる恐れがある。

バイデン政権は7月4日までに、少なくとも1回の接種を受けた成人の割合を集団免疫獲得の目安となる70%以上にする目標を掲げる。米国全土では18歳以上の64%が1回の接種を終えた。メーン、マサチューセッツ、コネティカットなど北東部中心の12州は70%の目標をほぼクリアしつつある。

バーモント州は71%に達した。68%のハワイ州は4日、接種率が70%を超えた時点で全ての渡航制限を解除すると表明済みだ。ニューヨーク州のクオモ知事は7日、1回接種した人の比率が現在の68%強から70%に上がれば、コロナ関連の行動規制をすべて撤廃する考えを表明した。

一方で、米国の1日あたりの接種回数は4月のピーク時の3割弱まで減少した。ミシシッピ州やアラバマ州、ルイジアナ州などは接種率が4割に満たない。専門家は現在の接種ペースが続けば、こうした州では70%達成に1年程度かかり、全米で少なくとも30州が7月4日の期限に目標を達成できないとみる。

バージニア工科大学のリンゼー・マー教授は、足元の感染者自体は減少傾向にある一方、気温の高い南部を中心に夏季に感染が拡大しやすくなる可能性を指摘する。空気を乾燥・循環させる冷房の効いた室内で過ごすことが増え、感染リスクが高まるという。

人種などの属性による差もなお残る。米カイザー・ファミリー財団(KFF)の5月の調査では、ワクチンを接種した人の割合は白人の65%に上ったのに対し、黒人は56%、ヒスパニック系は57%だった。ただ、各州のワクチン接種への支援策も背景に接種率は4月と比べ黒人で5ポイント、ヒスパニック系で10ポイント改善した。

接種に対する意向を聞いた質問では「様子を見てから接種する」と回答した人の割合は黒人の22%、年齢別では18~29歳の若者の19%を占めた。一方、「絶対に接種しない」と答えた人は共和党員(27%)、農村部の住民(24%)、トランプ前大統領の支持基盤でもあった白人で福音派のキリスト教徒(23%)で突出している。

政府や州がマスク着用や移動をめぐる制限措置を緩和するなか、夏季には前年からの「リベンジ消費」で人の往来が増えることが予想される。ワクチンの接種率が不十分な地域やワクチンの使用に慎重な層を中心に、再び感染者が急増するリスクがある。

ルイジアナ州立大学公衆衛生学部のエドワード・トラピード博士は若者を含め「予防接種が進んでいない層で感染者が増えるだろう」と警鐘を鳴らす。「検査数が減少していることも、夏場に起こる可能性のある集団感染の抑制を困難にする」と語る。CDCによると、足元の1日あたりの検査報告数は30万件前後と、200万件以上あったピーク時から大きく減少した。

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