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エルサルバドル、ビットコインを法定通貨に 大統領表明

会見するエルサルバドルのブケレ大統領(6日、サンサルバドル)=ロイター

【メキシコシティ=宮本英威】中米エルサルバドルのブケレ大統領は、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインを法定通貨にしたい考えを示した。近く国会に法案を提出する。実現すれば世界で初めての事例になるとみられる。米国を中心とする外国の就労者から母国に住む親族への送金が一段と進む可能性がある。

ブケレ氏は5日、米フロリダ州マイアミでのビットコイン関連のイベントにビデオ出演した。「来週、ビットコインを法定通貨とする法案を国会に提出する」と明言した。「非公式に就労する多くの人々の金融包摂につながる」とも語った。

ブケレ氏によると、エルサルバドル国民の約7割は銀行口座を持っていない。仮に口座があっても送金には高額の手数料が必要になる。ビットコインを用いれば、携帯電話などを通じて手軽に送金できる。法定通貨にすることでそうした流れが強まる可能性がある。

ブケレ氏はツイッターへの投稿で、ビットコインの資産価値は6800億ドル(約75兆円)に相当すると指摘。このうち1%がエルサルバドルに投資されれば「国内総生産(GDP)を25%押し上げる」との期待を示した。

ビットコインの国際送金を手がけるストライクは3月、エルサルバドルでアプリの配信を始めた。同社のジャック・マラーズ最高経営責任者(CEO)はブケレ氏の意向を歓迎し、「エルサルバドルでは世界で最も安全かつ効率的な決済ネットワークが提供されることになる」と述べた。

エルサルバドルの人口は640万人。2001年に法定通貨として米ドルを採用している。同国は治安の悪化や貧困が理由で米国に多くの移民を送り出している。米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、エルサルバドルからの移民は140万人で、メキシコや中国などに続いて5番目に多い。

エルサルバドルへの国際送金額は20年に59億ドルと、19年比5%増えて過去最高だった。送金額はGDPの約2割を占めており、経済の重要な構成要素になっている。

エルサルバドルのブケレ大統領は19年6月に就任した。39歳と若く、国民からの人気は高い。ただ強権的な姿勢が目立ち、国際社会から警戒する声も出ている。

5月上旬には最高裁判事と検事総長の更迭に動いた。米国際開発局(USAID)が「懸念」を表明して、一部援助を引き上げる方針を示した。米の南部国境に押し寄せる移民問題を巡って関係強化が必要ではあるが、米国にとって距離感が難しい状況になっている。

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