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米長期金利1.8%、コロナ前水準に上昇 ハイテク株に売り

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】金融市場の転機が近づいている。米長期金利は7日に一時1.8%台を付け、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の水準まで上昇した。同日発表の米雇用統計で失業率が大きく下がり、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め方針は変わらないとみた投資家の国債売りが広がった。株式市場ではハイテク株中心のナスダック総合株価指数が前日比1%下げた。投資家は運用先の見直しを進めている。

長期金利の指標になる10年物国債の利回りは7日に一時、1.8%台を付けた。2020年1月下旬以来、2年ぶりの水準となった。年初来では0.28ポイントほど上昇。週間の上昇幅としては約2年4カ月ぶりの大きさとなった。

21年12月の米雇用統計は失業率が3.9%と市場予想(4.1%)を下回り、平均時給の伸びは予想以上だった。市場では早期の金融引き締めを支持する材料と受け止められた。

急ピッチの金利上昇に警戒感を強めた投資家は運用先の見直しを進めている。米バンク・オブ・アメリカの調査によると、今年に入って米国債を売る投資家が増えている。売却した資金はいったん現金として保有する投資家が多い。株式市場では金融引き締めに備えた極端なリスク回避の動きは出ていないが、投資先の入れ替えが進む。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は年初来で2%下げた。業種別では21年に同指数をけん引した情報技術が5%下落。個別銘柄ではアップルやテスラがそれぞれ3%安とさえない。

金利上昇でPER(株価収益率)が相対的に高く割高感が意識されたハイテク株が売られた。米CNBCによると、ゴールドマン・サックスが集計するヘッジファンドの取引状況で、21年12月30日~22年1月4日のハイテク株の売却額は同期間としてこの10年で最大規模だった。

一方で、PERが低いエネルギー株や利ざや拡大期待のある金融株などが買われている。ダウ工業株30種平均は年初から0.3%下落とほぼ横ばいにとどまる。

金融緩和を追い風に成長期待で買われてきた赤字企業の株価は大きく下落した。ゴールドマンがつくる赤字のテック銘柄の値動きを示す指数は6日にかけて年初来で10%下落した。「リスク回避の姿勢が暗号資産(仮想通貨)にも波及した」(オアンダのエドワード・モヤ氏)ため、ビットコインの価格は年初来で10%下落した。

投資家は業績の裏付けに乏しい銘柄まで買われる緩和相場の終わりが近いとみている。今後は緩和縮小で投資環境の不透明感が深まる。成長期待よりも、業績が堅調で財務基盤がしっかりしている銘柄にマネーが流入しそうだ。

ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏は当面の市場について「金利の上昇ペースが相場の変動を左右する」と分析する。長期金利が1.75%前後で落ち着けば、投資先を大きく入れ替えるローテーションは一服するとみている。

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