FRB、量的緩和の長期維持で一致 12月の議事要旨

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)は6日、2020年12月に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。米国債などを大量に買い入れる量的緩和の長期維持の指針について、参加者全員が一致していたことが明らかになった。
12月会合ではゼロ金利政策を維持するとともに、国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を同400億ドル買い入れる現在の指針について「完全雇用と物価安定が十分に前進するまで続ける」と指摘し、量的緩和の進め方を明瞭化した。
参加者は、この指針により、金融緩和をもたらす上での資産購入の役割が明確になったと主張した。一部参加者は、景気回復が予測より遅れれば「政策金利の水準を維持したまま、量的緩和を拡大することで追加緩和の意図を示せる」と述べた。
十分前進したかどうかは、「具体的な数値基準にもとづくものではなく、幅広く質的に判断する」と語った。また購入ペースの変更を必要とする前進があったと判断した場合には、市場の混乱を防ぐため、あらかじめ十分に時間をもって(市場と)コミュニケーションをとる重要性を指摘する声もあった。
追加緩和の手段に関する議論では、「購入債券の年限長期化」に前向きな参加者は少数だった。
景気見通しについては、「新型コロナウイルスの感染拡大次第」と述べた。経済は回復力を示したが、足元で回復ペースが失速しており、コロナの感染拡大で今後数カ月はさらに減速するとの見方を示した。ただ、ワクチンの登場は中期的な景気見通しにプラスとして前向きな受け止めを示した。