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米、コロナ検査キット足りず 企業・学校再開にハードル

(更新)

【ニューヨーク=野村優子】米国で新型コロナウイルスの検査キット不足が深刻になっている。感染者数の急増により需要が拡大する中、大手薬局などでは自宅で受けられる検査キットの品切れ状態で、値上げも相次ぐ。企業や学校では感染者などが復帰時に検査で陰性を確認する必要があり、検査キット不足は経済再開のハードルにもなりそうだ。

薬局や小売店では検査キットの品切れが続いている。「入荷のメドが全く立っていない」。ニューヨーク市マンハッタンの大手薬局CVSの店員は、毎日数十回も検査キットの在庫状況を客に聞かれるという。州も不足に悩まされている。学校や病院などに検査キットを配布するバージニア州保健当局は4日、「数カ月前に発注した検査キットがまだ届いていない。検査キットを持っている人は、いざという時のために取っておくように」と呼びかけた。

感染者または濃厚接触者となった場合、職場や学校に復帰する際に検査で陰性を確認する必要がある。安価な検査キットの不足に加え、無料の検査所にも数時間待ちの行列ができるなか、100ドル超の費用がかかる検査機関に頼らざるを得ないケースも増えている。こうした動きが、企業や学校再開の障壁になる恐れもある。

値上げに踏み切る動きも出ている。米小売り大手ウォルマートやクローガーは検査キットの価格を相次ぎ引き上げた。両社はバイデン政権と検査キットを原価で販売することで合意していたが、その期限が切れたことを受けて値上げした。米アボット・ラボラトリーズ製の検査キットは従来14ドル(約1600円)で販売していたが、7日時点でウォルマートが19.88ドル、クローガーが23.99ドルとなる。

検査キットを製造販売するアボットは「前例のない需要」を経験しているとして、供給増に向けた取り組みを強化する。同社は24時間体制で生産を続けており、1月の供給見通しを7000万個と、昨年12月の5000万個から引き上げた。

バイデン政権も、買い取りを表明していた5億個分の検査キットの配布を近く始める見通しだ。米ワシントン・ポストは7日、米郵政公社(USPS)と検査キットを配送する計画を固めており、1月中旬までに開始すると報じた。

検査需要の増加に伴い、偽物も横行し始めている。米連邦取引委員会(FTC)は4日、ネットで偽物の検査キットが販売されているとして、購入しないよう消費者に注意喚起した。対面形式の検査でも、結果を通知しなかったり違法な料金を請求したりする業者が増えており、イリノイ州知事は取り締まりを強化したと明かしている。

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