米軍、過去の気球飛来を即時発見できず 欠陥認める
(更新)

【ニューヨーク=中村亮】米北方軍のグレン・バンハーク司令官は6日、記者団に対し、過去に米国へ飛来した中国の偵察気球を直ちに発見できていなかったと明らかにした。「解決しなければいけない状況把握の空白がある」と語って欠陥を認めた。
国防総省高官は4日、中国の偵察気球が米本土にトランプ政権期には少なくとも3回、バイデン政権の初期に1回飛来していたと説明した。バンハーク氏はこれらの事例に関して情報機関が追加の情報収集活動を実施し、遅れて気球の飛来を把握したと言及した。
国防総省は4日に撃墜した偵察気球に関し、米本土での飛行時間が最も長かったと指摘している。過去のケースは米本土に入る時間が短く、米軍が発見できなかったことが考えられる。米国の本土防衛能力に疑念が生じる可能性がある。
AP通信によると、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日のイベントで、バイデン政権下で実施した中国の偵察活動に対する防衛力強化が今回の気球の発見につながったと主張した。「トランプ政権が発見できなかったものを発見できるように能力を高めた」と訴えた。