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中国、東南アからの米排除模索 「域外国の介入」批判

ASEAN関連会議が閉幕

ARFでは中国の王毅氏(中央)が米国を念頭に批判を展開した(写真はカンボジア外務省のホームページから)

東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の閣僚級会合は6日、日米欧中など27カ国・機関が参加するASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議を経て閉幕した。一連の会議で東南アジアから米国の影響力を排除しようとする中国の姿勢が浮き彫りになった。

「域外国の介入は南シナ海の平和と安定を損なう最大の脅威となっている」

オンラインで開かれ、ブリンケン米国務長官も参加した6日のARF閣僚会議。中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は南シナ海問題で米国を念頭に域外国への批判を展開した。

バイデン政権は米欧関係の修復を通じ、幅広い連携で対中包囲網の構築を試みている。今回の会議のタイミングにあわせるかのように英国は空母を南シナ海に派遣し、ドイツもフリゲート艦が南シナ海に向かうと公表した。

王氏が「域外国の介入」と強く批判したのはこうした一連の動きにほかならない。

中国は今回の会議で南シナ海での紛争防止を目的としたASEANとの「行動規範(COC)」の策定交渉を進める姿勢を打ち出した。作業は大幅に遅れていたが、王氏は3日のASEANとの外相会議で、序文部分について暫定合意に至ったと明らかにした。

背景には南シナ海の領有権問題の当事国が解決に向けて外交交渉を進めている印象を広められれば、米欧の介入を招きにくくなるとの計算がある。

中国は域外国を軍事演習や資源開発から締め出す条項をCOCに盛り込みたい考えだ。COCの交渉を長引かせて時間を稼ぎ、南シナ海での支配権を固める狙いも透ける。

ブリンケン氏はチベットと香港、新疆ウイグル自治区でも「人権侵害が続いている」と懸念をあらわにした。中国軍の動向に関しても「抑止のために核兵器を保有するという長年の自国の核戦略から逸脱し、急速に核戦力を増強している」と批判した。

ASEAN加盟国の一部には米国の人権問題での注文に対する反感が強く、内政不干渉を掲げる中国のスタンスに近い国も少なくない。今回の会議でも東南アジアの外相からは中国の人権問題や軍拡に対する懸念の声はほとんど聞かれなかった。

米国はハリス副大統領を8月20~26日の日程でシンガポールとベトナムに派遣する。米副大統領が国際会議の機会以外にASEAN加盟国を訪れるのは珍しく、バイデン政権としてASEAN重視の姿勢をアピールする。

中国の東南アへの新型コロナウイルスのワクチン支援や経済協力の規模は圧倒的で、米国がすぐに出遅れを取り戻せるとみる向きは少ない。

ASEAN外交筋は「米国の巻き返しは遅く、中国は多くを求め過ぎる。ワクチン外交だけで各国が態度を決めるわけではなく、今のところ両国ともASEANの取り込みに成功していない」と指摘する。(ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主、シンガポール=中野貴司)

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