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カナダにワクチン買い占め批判、途上国向けの枠組み利用

カナダのトルドー首相はワクチンの供給遅れをめぐり国内の批判にさらされている=ロイター

【ニューヨーク=白岩ひおな】新型コロナウイルスのワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」をめぐり、カナダ政府が早期から自国民が接種するワクチンの確保目的で利用しているとして「過剰購入」との批判にさらされている。先進国によるワクチンの買い占めが問題視されるなか、供給が遅れる貧困国や中低所得国への優先分配を妨げるとの懸念があるためだ。

世界保健機関(WHO)などが主導し、公平なワクチンの分配をめざすコバックスは、2021年6月までにワクチン3億3720万回分を確保する計画だ。英アストラゼネカと米ファイザーのワクチンをインド、パキスタン、ナイジェリア、インドネシア、北朝鮮などが受け取る。枠組みに参加する145カ国・地域の人口の3.3%をカバーする計算だ。21年中に少なくとも20億回分の確保を見込んでいる。

欧米各国が先行して製薬企業などと購入契約を結ぶ一方、貧困国や発展途上国の多くは接種を開始できていない。コバックスは中長期では資金を拠出する先進国への供給も想定するが、まずは自国で調達が難しい貧困・中低所得国を優先している。主要7カ国(G7)でコバックスを自国の供給向けに利用しているのはカナダのみだ。カナダはコバックスへの拠出額のうち半分を国内向けのワクチン入手にあて、夏までにアストラゼネカのワクチン190万回分を受け取る見込みだ。

カナダは製薬企業7社と事前購入契約を結んでいる。追加購入のオプション行使も含めれば、コバックスによる供給なしでも約3800万人の人口をはるかに上回る3億9800万回分を確保できる計算だ。一方、供給の遅れを巡り国内有権者から不満の声が上がっており、政府に早期供給の圧力が強まっている。

WHOとともにワクチン普及を担う国際機関「Gaviワクチンアライアンス」のセス・バークリー最高経営責任者(CEO)は3日、コバックスの最大の役割を「国際枠組みがなければ入手できない貧しい国にワクチンを供給すること」だと指摘した。多数の供給契約を結んでいる国が枠組みの利用を控えれば「他国の助けになるだろう」とし、先進国の自制を促した。

トルドー首相は9月末までに全国民にワクチンを接種する方針を掲げたが、供給分の多くは年後半まで入手できない見通し。現在は大量生産設備がなく、自国内で初の生産契約を結んだ米バイオ製薬ノババックスによる生産拠点も年内の完成予定だ。

カナダのフリーランド副首相は4日「カナダ人ができるだけ早くワクチンを接種するために、政府のあらゆる努力がとがめられる筋合いはない」 と強調し、過剰購入との批判はあたらないとした。

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