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モデルナ「冬前に追加接種必要」 半年後から効果低下も

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【ニューヨーク=野村優子】米バイオ製薬モデルナは5日、新型コロナウイルスのワクチンについて、有効性を維持するために3回目の追加接種(ブースター接種)が「冬のシーズンを前に必要になる」との見解を示した。2回目の接種から6カ月は有効性が9割を上回る一方、6カ月後からインド型(デルタ型)などの変異ウイルスに対する予防効果が低下し始めると指摘した。

モデルナが公表した臨床試験(治験)のデータによると、2回目の接種から6カ月間は有効性が93%となる。ただ、感染拡大が深刻となるデルタ型などに対しては、接種後に体内でつくられウイルスの働きを抑える「中和抗体」の量が6カ月後から低下し始めると指摘した。

治験を進めるブースター接種についての研究結果も併せて公表した。ブースター候補として従来ワクチン、デルタ型に特化したワクチンなど3種類で治験を進めるが、いずれもデルタ型に対する予防効果を高めることを確認した。スティーブン・ホーグ社長は同日の決算説明会で「ワクチンの有効性は6カ月間維持されるものの、抗体レベルは徐々に低下し、有効性に影響を与える。冬を前にブースター接種が必要になる」と述べた。

ブースター接種を巡っては欧州などが接種に動くなか、世界保健機関(WHO)は公平な供給の観点からブースター接種を9月末まで中止すべきだとの見解を示した。米国では7月上旬、米疾病対策センター(CDC)と米食品医薬品局(FDA)が「現時点で必要ない」との見解を示した。

モデルナが同日発表した2021年4~6月期決算は、売上高が前年同期比65倍の43億ドル(約4790億円)、最終損益が27億ドルの黒字(前年同期は1億1700万ドルの赤字)だった。同期間に新型コロナワクチンを1億9900万回分販売しており、売上高は42億ドルだった。同ワクチンは世界50以上の国・地域で緊急使用などが承認されており、21年には8億~10億回分を生産する計画だ。

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