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Google、オラクルの著作権侵害せず 米最高裁判決

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【シリコンバレー=白石武志】グーグルとオラクルの米IT(情報技術)大手がソフトウエアの著作権をめぐり争った訴訟で米連邦最高裁判所は5日、グーグルが著作権を侵害したとするオラクルの主張を退ける判決を下した。両社が約10年にわたり繰り広げた大型訴訟はグーグルの勝利で決着した。

判決に加わらなかったバレット最高裁判事を除く8人の最高裁判事は6対2でグーグルを支持する判決を下した。リベラル派であるブライヤー最高裁判事は多数派の意見として、グーグルがオラクルのコードを自社の基本ソフト(OS)に組み込んだことについて「素材のフェアユース(公正な利用)であるという結論に達した」と述べた。

グーグルは2008年に提供を始めたスマートフォン向けOS「アンドロイド」を開発する際に、オラクルが権利を持つプログラミング言語「Java(ジャバ)」のコードの一部を同社の承諾なく組み込んだ。当時主流だったJavaのコードをそのまま使えば、多くのソフト技術者がアンドロイド用アプリを開発しやすくなるためだ。

オラクルはこの行為が同社の知的財産を侵害すると主張。10年にグーグルを相手取り損害賠償を求める訴訟を起こした。その額は少なくとも90億㌦(約1兆円)に上ると主張していた。グーグルは一審で勝利したが、控訴審で覆された。その後、グーグルによる上訴が認められ、20年に最高裁による審理が始まっていた。

仮にオラクルの著作権が認められれば、豊富な技術資産を持つIT大手の権利がより手厚く守られ、競争上の優位を強める可能性があった。人工知能(AI)研究第一人者のジェフリー・ヒントン氏や米アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏らはオープンなソフト開発が制限されることを危惧し、グーグル支持を表明していた。

最高裁の判決によって、グーグルは巨額の損害賠償を免れることになった。グーグルでグローバル渉外を担当する幹部のケント・ウォーカー氏は5日、「最高裁の明確な判決は、消費者と相互運用性、そしてコンピューター科学にとっての勝利だ」とのコメントを出した。

オラクルで法務を担当する幹部のドリアン・ダレイ氏は同日付の声明の中で、「彼らはJavaを盗み、独占企業ならではの訴訟を10年かけて行った」とグーグルを批判。「このような行為こそが世界や米国の規制当局がグーグルのビジネス手法を調査している理由だ」とも指摘した。

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