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「法人税の国際最低税率導入を」 米財務長官演説

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【ワシントン=長沼亜紀】イエレン米財務長官は5日の演説で「主要20カ国(G20)と法人税のグローバルな最低税率導入で合意すべく協議している」と述べた。7日に予定されているG20財務相・中央銀行総裁会議を前に法人税に関する国際協調を呼びかけた。

財務長官として初の重要演説に臨んだイエレン氏は、企業を誘致するために各国が競って法人税率を引き下げてきたと指摘。結果的に税率の引き下げが税収基盤の縮小を招いていることについて「そのような競争は終わらせたい」と語った。

イエレン氏は「競争力とは米企業が国境をまたぐ合併や買収で成功することだけではない」とも強調。「政府が必要な公共財に投資したり危機に対処したりするための歳入を確保できる安定した税制を持つこと、そして全員が政府を支えるために公正な負担をすることでもある」と主張した。

バイデン政権は約2兆ドル(約220兆円)をインフラなどに投じる「米国雇用計画」を発表しており、巨額の歳出をカバーする財源が争点となっている。同政権は連邦法人税の21%から28%への引き上げや、多国籍企業の海外収益への課税強化など法人増税を提案している。

一方、イエレン氏は途上国の新型コロナウイルス問題が米経済や世界経済を脅かす要因になるとも警告。低所得国へのワクチン供与を加速させるべきだと訴えた。「我々がすべきはコロナのワクチン接種や検査、治療を可能な限り広げていくことだ」と語った。

国際通貨基金(IMF)は途上国支援のため、特別引き出し権(SDR)と呼ばれる外貨調達枠を6500億ドル程度増強する方針だ。財政余地が乏しい途上国では経済だけでなく、コロナ対策や教育の面でも問題が深刻化している。イエレン氏はSDRを通じた支援が「(ワクチンなど)貧困国に欠かせない資源が行き渡ることにつながる」と賛意を示した。

G20会議にあわせ、5~11日にはIMF・世界銀行総会も開かれており、SDR拡充が議論される見込みだ。イエレン氏は「(IMF総会で)気候変動の議論を進めるほか、経済回復のための強力な支援を各国に要請する」と述べた。

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