ロシア、2月中旬に核使用想定の軍事演習 米欧に警告か
FT報道
(更新)

【ワシントン=坂口幸裕】米政府の分析によると、ロシア政府が2月中旬に核兵器使用を想定した軍事演習を計画していることがわかった。英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。ロシアがウクライナに再侵攻した場合、米欧が軍事介入しないよう警告する狙いがある。
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長とヘインズ国家情報長官が3日、米下院議員らに「プーチン大統領が2月中旬に演習を開始する予定だ」と説明したという。
FTによると、ロシアは例年、戦略核弾頭などを運ぶ大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を秋に実施する。今回の時期の前倒しは東欧に3000人規模を派兵する米国などに対抗し、軍事力を誇示する思惑が透ける。ロシアは米国の増派方針に「破壊的な措置」(グルシコ外務次官)などと反発していた。
米欧はロシアがウクライナ国境付近になお10万人規模の軍部隊を維持し、同軍を展開しているベラルーシから侵攻するおそれもあるとみる。米政府はロシアがウクライナ再侵攻を決めたかどうかの結論を出していないものの、ロシアが再侵攻を正当化するための偽装工作を始めるなど準備を継続していると警戒を強める。
ロシア陸軍の部隊がウクライナに再侵攻するには地面が凍結する2月以降が最も適した時期だとの見方が多い。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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