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IT大手、高まる従業員圧力 Google従業員が初の労組結成

グーグル初の労組には当初、226人が参加した=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】米グーグルと親会社アルファベットの従業員ら200人超が経営陣への意見の発信を狙って初の労働組合を立ち上げたことが4日、明らかになった。米IT(情報技術)大手ではアマゾン・ドット・コムでも労組結成の動きが進む。「物言う従業員」からの高まる圧力が、各社の経営判断に影響を及ぼす可能性がある。

アルファベットの従業員らは労組の結成にあたり、米国とカナダの通信・メディア業界の労働者らでつくる米国通信労働者組合(CWA)の支援を受けた。4日時点で226人が参加を決めたという。報酬総額の1%を組合費として拠出すれば、契約社員や派遣社員らも組合員として受け入れる。

アルファベットの連結従業員数は2020年9月末時点で約13万2000人。当初の組合員数は全体の0.2%にすぎず、従業員らを代表して賃金交渉を担う権限は持たない。労組は待遇改善を求める旧来の枠組みにとらわれず、人工知能(AI)の使い道など社会に与える影響が大きいテーマについて経営陣が倫理的に行動するよう求めていく考えを示した。

グーグルでは18年に3000人を超える従業員がAIの軍事利用に反対する署名活動に参加し、経営陣に米国防総省へのAIの提供を打ち切らせた実績がある。今回の労組に加わったニッキ・アンセルモ氏は「集団で行動すれば、経営側が応えてくれることを身をもって体験した」と経営陣との対話に期待を寄せる。

アルファベットは世界中から優れた人材をひき付け、従業員の19年の年収の中央値は25万8700ドル(約2600万円)だ。団体交渉で一律の賃上げなどを求める労組は長年、シリコンバレーの企業にはなじまないとみられてきた。アルファベットの労組によると、米IT大手で全ての労働者を対象とする組合を結成するのは初という。

米IT大手を巡っては、利益を優先する経営に懸念を示し、民主的な組織運営を求める声が年々強まっている。アマゾンでは物流施設周辺の大気汚染などを問題視する社員らが19年に組織的な活動を展開し、同社の事業を通じて排出する二酸化炭素を40年までに実質ゼロにするよう経営陣の約束を取り付けた。

アマゾンでは現在、米アラバマ州の物流施設で働く労働者らが労組結成の賛否を問う投票を近く行う予定で、アルファベットの労組結成の動きは他社にも広がる可能性がある。反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いなどをめぐり米当局からの批判にさらされる各社の経営陣にとって、新たな悩みの種が増えることになる。

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