ブラジルレアル、対ドルで堅調 利下げ時期遅れの観測
通貨番付
ブラジルの通貨レアルが対ドルで堅調に推移している。物価上昇率の鈍化が想定より遅れ、中央銀行が現行の政策金利の水準維持を長期化するとの見方が強まったためだ。

1ドル=5.1レアル前後と2023年初から3%ほどレアル高・ドル安だ。ブラジルの政策金利は13.75%と17年1月以来の水準にある。中銀は1日の金融政策決定会合で4会合連続の金利据え置きを決め、2日には一時4.94レアル台まで上昇した。
中銀は23年の物価の目標の上限を4.75%に設定している。中銀が民間エコノミストの予測をまとめて1月末に公表した調査では、23年見通しは5.74%。22年12月上旬時点では5.08%で、中銀目標の範囲に落ち着くには時間がかかるとの見方が強まった。「23年内の利下げの可能性はさらに後退した」(みずほ銀行)との声もある。
(サンパウロ=宮本英威)
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3日までの1週間で台湾ドルが上昇した。米金融引き締めの鈍化と、中国の経済活動の正常化期待で買いが入った。
