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米議会占拠1年 トランプ氏、「偏見を考慮」と一転沈黙

バイデン氏は演説へ

【ワシントン=坂口幸裕】トランプ前米大統領は4日、連邦議会議事堂の占拠事件から1年になる6日に予定していた記者会見を一転して取りやめた。声明で事件の経緯を調べる議会下院の特別委員会やメディアの「偏見と不誠実さを考慮した」と主張した。バイデン大統領は6日に議会で演説に臨み、米国を団結させる必要性を訴える見通しだ。

トランプ氏は記者会見の代わりに15日に南西部アリゾナ州で開く自身の集会で見解を示すと明かした。質問には答えず、自らの考えを一方的に発信する場になりそうだ。

4日の声明では特別委について「民主党の隠蔽委員会であり、メディアはそれに加担している」と指摘。「なぜ人々がワシントンに集まった最大の理由である2020年大統領選の不正行為を調査の主要テーマにしないのか。これは世紀の犯罪だった」と唱えた。

1年前の事件は民主のバイデン氏の大統領選勝利を認定する手続き中だった議事堂にトランプ氏の支持者らが乱入し、警察官1人を含む5人が命を落とした。事件にかかわったのは20年大統領選の結果に不満を持つトランプ氏の支持者が中心で、議事堂を一時占拠する異常事態に発展した。

ホワイトハウスのサキ大統領報道官は4日の記者会見で、バイデン氏は6日の演説で「(21年)1月6日に目の当たりにした憎悪と嘘を拒絶し、国を団結させるために我々がまだやらなければならないことについて語る」と明かした。「法の支配と民主的な統治システムにもたらされた危険性に関しても話す」と強調した。

事件を受けて民主が多数派の下院は21年1月、「反乱を扇動した」としてトランプ氏を弾劾訴追したが、上院は同2月の弾劾裁判で同氏に無罪評決を下した。野党・共和党の大半が無罪を主張して有罪評決に必要な出席議員の3分の2に届かなかった。

その後、下院は特別委員会を設けた。トランプ氏と対立する共和議員もメンバーに加わり、現在も調査を継続している。米CNNなどは今夏までに最初の調査結果となる中間報告書をまとめると報じた。最終報告書は22年11月の連邦議会中間選挙の前に公表される可能性があり、与野党の駆け引き材料になっている。

20年大統領選で論点になった投票方法をめぐっても与野党の対立は続く。民主は黒人や少数派の投票機会を広げる「投票の自由法案」を掲げ、共和は反対の姿勢だ。上院は少数派による議事進行の妨害(フィリバスター)を認める。妨害を終わらせて法案を採決するには上院100議席の単純過半数でなく60票の賛成が必要になる。

米メディアによると、上院民主トップのシューマー院内総務は「投票権の保護」を前面に出して17日までにフィリバスターのルールを変更する構えを示すが、共和は強く反発している。

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