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米、10月の雇用53万人増加 人手不足続く 

(更新)

【ワシントン=大越匡洋】米労働省が5日発表した10月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数の増加幅は53万1000人と、9月の31万2000人から拡大した。市場予測(40万人程度)を上回った。ただ新型コロナウイルス禍からの経済再開に伴う需要の伸びに働き手の増加が追いつかず、深刻な人手不足が続いている。

失業率は4.6%と9月から0.2ポイント低下。宿泊など娯楽・接客業の就業者の増加は16万4000人だった。9月の就業者数の増加幅は速報値の19万人台から上方修正した。

仕事を探している人も含めた労働参加率が高まらず、10月は61.6%と9月から横ばいだった。コロナ危機前と比べて2ポイント近く低い「断層」があり、求人が多いにもかかわらず、実際の雇用増を阻む壁となっている。コロナ禍を機に早期退職したり、賃金の上昇傾向から慌てて仕事に就くのを控えたりする人が増えているようだ。

「火曜から土曜は持ち帰りか宅配限定」。中西部インディアナ州の飲食店「イジーズ」はこんな案内を出す。全米レストラン協会が9月末に公表した調査によると、飲食店経営者の8割が「顧客のニーズを満たせるだけの従業員がいない」と答えた。

米格安大手のサウスウエスト航空は10月中旬の連休で2000便超を欠航した。天候不順に応じた人員配置が間に合わなかったことが要因のようだ。アメリカン航空も10月末に4日間で約2000便を欠航。新たに乗務員を採用しても訓練などに時間がかかる。

人手不足は米経済の足かせとなっている。6、7月に100万人前後となった就業者数の伸びはデルタ型が流行した8、9月に停滞した。特に8月は低賃金で感染リスクのある飲食業などを中心に自ら仕事を辞める人が430万人と過去最多となった。

求人と求職で職種や条件が折り合わないミスマッチが広がり、人手不足を深刻にしている。7~9月期の雇用コスト指数は前期比1.3%上昇し、前の期から伸びが0.6ポイント拡大した。賃金上昇が勢いづき、高インフレを長引かせる可能性がある。

米連邦準備理事会(FRB)は3日、量的緩和縮小(テーパリング)を11月から始めると決め、焦点は利上げ時期へと移った。インフレが高止まりしているのに対し、労働市場の回復はなお途上にある。

米アマゾン・ドット・コムが年末商戦に向けて15万人の季節労働者の雇用に動くなど、求人需要の強さは続く。供給制約と人手不足が二重の圧力となり、物価を押し上げる構図はしばらく変わりそうにない。

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