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50年に温暖化ガス排出ゼロ、IATAが表明 環境燃料拡大

(更新)

【ボストン=大島有美子】国際航空運送協会(IATA)は4日に開いた年次総会で、2050年に温暖化ガスの排出量を実質ゼロとする目標を賛成多数で採択した。石油由来の従来のジェット燃料から、バイオ原料などを使った持続可能な航空燃料(SAF)への切り替えを加速し、エネルギー業界や各国政府との連携も模索する。

世界の航空業界の団体が50年の脱炭素化を目標に掲げるのは初めて。IATAで環境を統括するセバスチャン・ミコス氏は記者会見で「極めて大きな目標だが、(脱炭素の流れは)市場の共通認識となっている」と述べた。目標を達成できなかった加盟企業に対する罰則は設けない。IATAに加盟する主要航空会社の多くは50年やそれ以前の脱炭素化を既に表明済みだ。

中国東方航空などは4日、中国政府が60年の脱炭素目標を掲げていることを受け、総会でIATAの目標設定には反対を表明した。IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は「長いあいだ議論を重ねてきた。欧州などは50年より早い脱炭素化を要求している」と述べ、多数決での採決に踏み切ったと明らかにした。

50年の脱炭素化に最も寄与するのはSAFへの燃料置き換えだ。SAFは温暖化ガスの排出量を石油由来のジェット燃料と比べて約8割減らせる。SAFの利用拡大は温暖化ガスの削減量の65%を占める見通しという。残りは電動化や水素燃料の活用、二酸化炭素の回収といった新技術を活用するなどして減らす。

世界の温暖化ガスの排出量の2%を占める航空業界が脱炭素へと足並みをそろえる効果は大きいが、実現への道のりは厳しい。航空会社による温暖化ガスの排出量の99%はジェット燃料が占める。IATAは50年に燃料全体に占めるSAFの割合を65%まで高める必要があるとのロードマップを示した。現状では2%にも満たない。SAFの生産量を現状の約4500倍に増やす必要がある。

SAFの価格は現状でジェット燃料の4倍ほど高いが、「どこかの時点で従来燃料より安くならないといけない」(IATAのミコス氏)。IATAは需要が増えるにつれ費用対効果が出てくるとの認識を示した。その上で「企業や政府との連携が不可欠だ」と強調した。

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