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トヨタ米販売、21年に初の首位 90年君臨のGM抜く

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【ニューヨーク=中山修志】トヨタ自動車の2021年の米国市場の新車販売台数が233万台となり、米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて首位になった。米国で海外の自動車メーカーが販売トップになるのは史上初めて。半導体不足で大幅な減産を強いられたGMや米フォード・モーターに比べて、トヨタは影響が限定的だった。

トヨタが4日発表した21年の米新車販売台数は20年比10%増の233万2000台。GMの販売(221万8000台)を約11万台上回った。フォードは21年の結果を集計中だが、1~11月実績でトヨタを約40万台下回っており、トヨタの首位は確定的だ。

ロイター通信によると、GMは1931年にフォードを抜いて以降90年間、一貫して米国で販売トップを続けてきた。今年は半導体不足の影響で9月に北米の半分の工場で生産を休止するなど大規模な減産に追い込まれた。21年の販売は20年比13%減となった。

トヨタも北米で月間数万台規模の減産が続くが、生産車種の見直しと小まめな生産調整によって工場の長期休止を回避している。

GMは足元で半導体不足が緩和し、徐々に生産ペースを上げている。半導体の供給が回復に向かえば、22年は米国市場で首位に返り咲く公算が大きい。

トヨタは1960年代に輸出を通じて米市場に本格参入した。故障の少なさなどから70~80年代に売れ行きを伸ばし、86年に米市場での販売が初めて100万台を突破。89年には高級車ブランド「レクサス」を導入して客層を広げた。2009年に発売した3代目「プリウス」が米国でもヒットし、ハイブリッド車(HV)の普及に弾みをつけた。

生産面では日米貿易摩擦の激化を受け、1984年にGMとの合弁会社を通じて米国生産を開始した。86年には南部ケンタッキー州に初の単独工場を建設。2021年に南部アラバマ州でマツダとの共同工場が稼働し、米国の完成車工場は計5カ所となった。

その他の日本車メーカーの21年の米国販売はホンダが20年比9%増の146万台、日産自動車が同9%増の97万台だった。SUBARU(スバル)、マツダ、三菱自動車を加えた6社合計の販売台数は同9%増の579万台となった。

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