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全文で振り返るバイデン氏議会演説

就任後初となる施政方針演説をするバイデン米大統領(4月28日、ワシントン)=AP

バイデン米大統領は4月28日夜(日本時間29日午前)、上下両院合同会議で就任後初の施政方針演説に臨んだ。「米国は再び動き始めている。世界を再び主導する」と述べ、米中間層の再興や中国との競争に勝ち抜く考えを表明した。演説の全文は次の通り。

ありがとう。ありがとう。ありがとう。(議場に)帰ってくるのはうれしいものだ。ミッチ(マコネル共和党上院院内総務)とチャック(シューマー民主党上院院内総務)は、帰ってくることの良さを分かるだろう。廊下の先にいるが。とにかく、みなさん、ありがとう。

マダム・スピーカー(下院議長)。マダム・バイス・プレジデント(副大統領)。この演台からこう語りかけた大統領は私が初めてだ。こう語りかけた大統領は今まで一人もいなかった。(女性が下院議長と副大統領の双方を務めることが)やっと実現した。

ファースト・レディー、私が彼女の夫だ。セカンド・ジェントルマン、連邦最高裁長官、議員と閣僚、名高いゲスト、そして国民の皆さん。今夜の行事はなじみ深いものだが、今回の集まりは従来と多少異なっており、我々が特異な状況にあることを思い出させる。

歴史を通して、歴代大統領は、議会、米国、そして世界に語りかけるためにこの議場を訪れてきた。宣戦布告したり、平和を祝ったり、新しい計画と可能性を発表したりしてきた。

私は今夜、危機、そして機会について話すためにやってきた。国を再建し、民主主義を再び活性化し、米国の未来を勝ち取ることについて話したい。

政権発足100日 「米国は再び動き出した」

私は今夜、政権誕生から100日目の1日前にここに立っている。我が家の聖書に手をおいて宣誓し、危機にある国家を引き継いでから――我々みんなが引き継いだ――それから100日だ。

1月20日の就任式で演説するバイデン氏=AP

100年で最悪のパンデミック。大恐慌以来の最悪の経済危機。南北戦争以来最悪の我々の民主主義への攻撃。わずか100日しかたっていないが、米国は再び動き出したと皆さんに報告したい。苦境は可能性に、危機は機会に、後退は力に変わろうとしている。

人生に打ちのめされることがあると我々はみんな知っている。しかし米国では、我々は決して打ちのめされたままにはならない。米国民は必ず立ち上がる。今日、我々はそれを行っているところだ。米国は新たに立ち上がり、恐れではなく希望を、嘘ではなく真実を、暗闇ではなく光を選んでいる。

私の目から見ると、100日の救援と再生の後、米国は飛び立つ準備ができている。我々は再び働き、夢を抱き、発見し、世界を導いている。我々は互いと世界に対し、米国が「あきらめてやめる」ことはないと示してきた。決して。

100日前、米国は大変な状況にあった。我々は行動しなければならなかった。そして、ペロシ下院議長とシューマー上院院内総務の優れたリーダーシップ、民主党支持者、無党派、共和党支持者を含む米国民の圧倒的な支持のおかげで、我々は行動した。

力をあわせて、米国史上でもっとも影響力のある救済政策の1つとなる「米国救済計画」を成立させた。すでにその成果は現れている。すでに成果が現れている。

新型コロナ対策 ワクチン提供を加速

私は就任100日以内に1億回の新型コロナウイルスワクチン接種を約束したが、その100日に2億2000万回以上のワクチンを提供できる見通しだ。

皆さんの助けのおかげで、あなた方皆さんの助けで、我々はすべての連邦資源を結集している。約4万の薬局と、最貧困層が利用できる700を超える地域医療センターにワクチンを届けた。ワクチン接種のための会場も開設しており、医療サービスが届きにくい地域には移動チームを派遣している。

ニューヨーク市のワクチン接種会場=AP

現在米国人の90%がワクチン接種会場から5マイル以内に住んでいる。16歳以上のだれもが、だれもが今、今すぐにワクチン接種を受ける資格がある。アメリカよ、ワクチン接種を受けなさい。ワクチンは接種可能だ。あなたは今接種の資格がある。

私が1月20日に就任した時には、高齢者の1%未満しかワクチン接種を完全に終えていなかった。100日後、65歳以上の高齢者の70%が完全にウイルスから守られている。完全に守られている。高齢者のコロナウイルスによる死亡は1月以降80%減った。皆さんのおかげで80%減った。さらに大人の半数以上が少なくとも1回はワクチンの接種を受けた。

アリゾナ州グレンデールの接種会場で、看護師の一人に「どんな感じかい」と様子を尋ねたところ、彼女は私を見て「接種の一回一回が、希望の一服のように感じる」と話してくれた。「希望の一服」と。自己免疫疾患のある子どもを持つフロリダ州の教員にとって、まさに希望の一服だった。彼女は私に手紙をくれ、家にウイルスを持ち帰ることを心配していると書いた。そして車での大規模接種会場でワクチン接種を受けたと。車の中で、喜びと安心で泣いたそうだ。

教諭やスクールバスの運転手、カフェテリアのスタッフがワクチン接種したことから、親たちは学校に戻った子どもたちの笑顔を見ることができるようになった。祖父母たちは、さよならを言うために窓に手を押しつける代わりに、子どもや孫を抱きしめることができるようになった。それはかけがえのないことだ。こうしたことはかけがえのないことだ。

このウイルスを打ち破るにはまだやらなければならないことがある。あなた方皆がよく知っている。あなた方はどの米国民よりもよく知っている。ガードを下げるわけにはいかない。しかし、今夜、私は宣言できる。皆さん、米国民の皆さんのおかげで、史上最悪のパンデミックの一つと戦うこの100日での前進は、かつてない物流の偉業となった。

米国救済計画 給付金に効果、「子供の貧困半減へ」

この最初の100日で他に成し遂げたことは何か。民主党も共和党も我々は約束を守り、全世帯の85%に1400ドル(約15万円)の救済給付金を送付した。すでに1億6000枚の小切手を発送した。それは効果を発揮している。皆さんが地元に戻れば分かる。多くの人にとって非常に大きな影響力をもたらしている。

私に手紙をくれたテキサス州のあるシングルマザーは、仕事に行くことができなかったが、この給付金で食事ができ、彼女と息子はアパートから立ち退きをせずにすんだという。バージニア州のあるおばあちゃんは、すぐに孫娘を眼科に連れて行ったと教えてくれた。お金がなかったために何カ月も先延ばしにしていたことだった。

今回の危機を象徴する光景の1つが、少なくとも私の考えでは、何マイルもつらなった車列だ。車を使ったことがほとんどない人たちではなく、立派な車がトランクに食べ物の箱を入れるために何マイルも並んでいた。あなた方はどうか分からないが、私は米国でそのような光景をみることになると考えたことはなかった。そしてこの全てが彼らの落ち度ではない。こんな状況になったのは彼らの落ち度では全くない。

米国救済計画が、空腹を抱えた何百万人もの米国人に食料と栄養支援を行っているのはそうした理由からであり、飢えはすでに大幅に減っている。また立ち退きを迫られるのを防ぐための家賃支援を行っている。皆さんは知っているが、米国民に知ってほしい。中小企業が事業を再開し、従業員を雇い続けられるようにする貸し付けも提供している。

100日間に、特別な申込期間を設けたためおかげで、80万人が新たにオバマケア(医療保険)に登録した。その期間に80万人だ。我々は、退役軍人のヘルスケアの改善に向け最大規模の投資にも取り組んでいる。オピオイド危機に対処するためにも大きな投資をしている。さらに恐らく最も重要なこととして、米国救済計画のおかげで、今年、子どもの貧困を半減できそうだ。

こうした取り組みを進める中で、経済は100日で130万以上の新しい雇用を生んだ。歴代大統領の最初の100日で最も多い雇用を創出した。国際通貨基金(IMF)は、今年の米国の経済成長率は6%以上になると予測している。そうなれば、約40年ぶりの成長ペースとなる。米国は動き出している。前に向かって進んでおり、それを止めることはできない。

米国雇用計画 「ブルーカラーのための青写真」

我々は21世紀を勝ち抜くために中国やその他の国と競争している。我々は歴史の変曲点にある。単に再構築するだけではなく、よりよく再構築しなければならない。かつてなく精力的に競わなくてはならない。

考えてみれば、歴史を通じて、公共投資とインフラが文字通り米国を変革してきた。我々の態度と機会を。大陸横断鉄道や州間ハイウエーが2つの大洋をつなぎ、米国にまったく新しい前進の時代をもたらした。

全国民への公立学校と大学進学援助が機会への扉を広く開いてきた。科学の大躍進が我々を月に、そして今では火星に送り、ワクチンを発見し、インターネットなど多くの技術革新を可能にしてきた。これらは国家として力を合わせて実施した投資であり、政府のみができる立場にあった。こうした投資は、何度となく我々を未来へ進ませてくれた。

一世代に一度の米国自身への投資である「米国雇用計画」を提案しているのはそのためだ。これは第2次世界大戦以来最大の雇用計画だ。交通インフラを更新するための雇用、道路、橋、高速道路を近代化するための雇用、港、空港、鉄道網、交通機関路線を建設するための雇用を生み出す。

また、きれいな水にも関係する。現在、最大1000万世帯と40万以上の学校や保育施設は飲料水用も含めて鉛の水道管を使っており、これは子どもたちの健康に明らかに差し迫った危険となっている。米国雇用計画は、全米の鉛パイプと供給網を完全に取り換えるための雇用を生み出す。それによって、すべての米国人がきれいな水を飲めるようになる。その過程で、多くの高賃金の雇用を創出する。すべての米国人を高速インターネットでつなぐための雇用を生み出す。これには高速インターネットがまだない地方に暮らす米国人の35%も含む。これは、子どもたちやビジネスが21世紀の経済で成功するのに役立つ。副大統領にこの試みを率いるよう依頼している。彼女が引き受けるなら。

(ハリス副大統領):もちろん。

なぜなら、成し遂げられると知っているからだ。

米国雇用計画は、近代的な送電網を構築することでも雇用を生む。現在の送電網は、嵐やハッカー、壊滅的な故障に対して脆弱であり、それがもたらす悲劇的結果を、寒波の際のテキサス州などで目にした。米国雇用計画は、耐性があり完全にクリーンな送電網を構築するのに必要な何千マイルもの送電線を引くための雇用を生む。我々にはできる。

テキサス州を襲った大寒波は電力危機を招いた(電気設備を修復する人)=AP

米国雇用計画は、何百万もの人々が仕事やキャリアに戻れるよう支援する。このパンデミック(世界的大流行)の間に、200万人の女性が仕事を辞めた。200万人だ。子供や助けが必要な高齢者を世話するために必要な支援を受けられなかったため、という理由が余りにも多い。80万もの家族が、高齢の親や障害を持つ家族を自宅で世話するサービスを受けるための(低所得層向けの公的医療保険である)メディケイドの待機リストに載っている。あなたがこれを重要でないと思うなら、自分の選挙区の状況を確認してほしい。

民主党支持の有権者も共和党支持の有権者も、大きな懸念は子供だけでなく一人で残しておけない高齢の家族の世話だ。メディケイドはそれを検討したが、米国雇用計画はこうした家族を助け、より良い賃金とより良い福利厚生を伴い、成長のサイクルを継続する介護士の雇用を創出する。

あまりに長い間、我々は気候危機に対応する上で最も重要な言葉を使ってこなかった。雇用。雇用だ。私にとって、私が気候変動について考えるときは、雇用のことを考える。米国雇用計画では、技術者や建設作業員が、よりエネルギー効率の高いビルや住宅の建設に従事することになる。

電気工事士、国際電気労働者友愛会(IBEW)の組合員たち、は、ハイウエーに50万台の充電ステーションを設置している。そうすることで、我々は電気自動車市場を持つことができる。農家はカバークロップ(被覆作物)を植えることで、空気中の二酸化炭素を削減し、それに対する報酬を得ることもできる。考えてみて欲しい。風力タービンのブレード(羽根)を北京ではなく(米東部ペンシルベニア州)ピッツバーグで製造できない理由はない。理由は全くない。全くだ。理由は全くない。電気自動車や電池の生産で、米国の労働者が世界を主導できない理由はない。米国には世界で最も聡明(そうめい)で訓練を受けた人々がいる。

米国雇用計画は何百万もの給料の良い仕事、つまり米国人が家族を養えるための――私の父が「ちょっと一息付ける」と言ったような――何百万もの仕事を創出する。米国雇用計画のすべての投資は「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)」という1つの原則によって導かれる。バイ・アメリカンだ。

米国の税金は、米国の雇用を創出する、米国製品を購入するために使われる。これが本来あるべき姿で、この政権ではそうなる。私は全ての閣僚に明言した。例外はほとんど認められないと。米国製になる。

いま家にいるあなた方の中には、これらの仕事が自分のためになるのか、疑問を感じている人もいると思う。多くの人々、私がともに育った多くの人たちは、急速に変化する経済において、自分が取り残され、忘れられたと感じている。怖いことだ。そんなあなたに直接お話ししよう。なぜなら考えてみれば、それこそ人々が最も心配していることだからだ。「私はなじめるだろうか」と。

独立した専門家によると、米国雇用計画は今後数年間、数百万の雇用と数兆ドルの経済成長をもたらすと推計されている。これは8年計画だ。これらはアウトソースできない高収入の仕事だ。米国雇用計画で生み出されるインフラ関連の仕事の90%近くは、大学の学位を必要としない。75%は準学士号(2年制大学を卒業して得られる学位)を必要としない。

米国雇用計画は、米国を作り上げていくブルーカラーのための青写真だ。まさにその通りだ。そして私がこの議事堂や他の場所で常に言ってきたことを認めている。ウォール街にはいい者たちがいるが、ウォール街がこの国を作ったのではない。中産階級がこの国を作ったのであり、労組が中産階級を作ったのだ。だからこそ私は議会に「団結権保護法」(PRO法)案を可決し、私の机に送り、組合結成の権利を支援できるよう求めている。

最低賃金 15ドルに引き上げを 

ところで、私の机に何かを送ることを考えているなら、最低賃金を15ドルに引き上げようではないか。週に40時間働いても貧困水準を下回ったままで生活する人がいてはならない。そして女性により公平さと機会の拡大を保証する必要がある。そしてそれに取り組んでいる間に、(男女同一賃金を実現する)「給与公正法」を私の机に届けよう。長い時間がたちすぎた。長すぎただろうか、と考えているなら、(女性の副大統領と下院議長が座る)私の後ろを見るがいい。

技術革新 R&D投資低迷、競争の後れに危機感

最後に、米国雇用計画は非国防分野の研究開発を過去最大のペースで加速させる。あなた方の中には私よりよく知っている人がいるが、今後10年間で、過去50年間に経験してきたことよりも多くの技術変化が起こるだろう。それだけ人工知能(AI)やそれ以上のものが急速に変化している。

我々は世界とのその競争に後れをとっている。数十年前は、米国の国内総生産(GDP)の2%を研究開発に投資していた。現在は1%にも満たない。中国や他の国々が急速に迫ってきている。我々は未来の製品や技術を開発し、優位に立たねばならない。先進的な電池、バイオテクノロジー、コンピューターチップ、クリーンエネルギーなどにおいてだ。

国防長官や、国家安全保障問題にかかわる人たちは知っているが、国防総省にはDARPA、国防高等研究計画局という機関がある。私がここに来る前、ずっと昔に設立され、米国の国家安全保障を強化する技術的大躍進を開発する、それが彼らの仕事だ。インターネットから全地球測位システム(GPS)まで、国家安全保障を強化する多くの技術を生んできた。

国立衛生研究所(NIH)は健康に関して、同様の高等研究計画を担う機関を創設すべきだと考える。それが行うのはこうしたことだ。目的はアルツハイマー病、糖尿病、がんなどの病気を防ぎ、発見し、治療するための画期的な発明を開発することだ。

私が副大統領だった最後の年に、900万ドル近くをNIHに提供する、がんに関する法案を成立させたことを決して忘れない。個人的な特権に触れることを許していただければ、あなた方が法案に私の亡き息子の名前を冠すると言ってくださったことを決して忘れない。私にとって重要なことだった。がんで亡くなった息子や娘、親類を持つ人は実に多い。これほど価値のある投資は思いつかない。これほど超党派的なものもないと思う。我々が知る限りのがんを克服しよう。それは我々の力が及ぶ範囲内にある。

今回のような雇用やインフラへの投資は、これまでも大抵は超党派の支持を得てきた。ハリス副大統領と私は大統領執務室で、定期的に民主党員や共和党員と米国雇用計画について議論した。共和党の上院議員のグループが彼ら独自の提案を出したことにも拍手を送りたい。さあ、仕事を始めよう。深い議論を始める前に、議会の前に私のプランを提示したかった。異なる、より良いと考えるアイデアを持つ人たちと会いたい。そうしたアイデアを歓迎する。

クリーンエネルギーの研究所を訪問するハリス副大統領㊧(ウィスコンシン州)=AP

米国家族計画 教育、育児サービスを拡充

だが世界は我々を待ってはくれない。明言したい。私の考えでは、何もしないという選択肢はない。我々同士が互いに競い合うことに忙しくするあまり、21世紀を勝ち抜くべく世界と競争していることを忘れてはいけない。ブリンケン国務長官が知っているが、私は(中国の)習近平(シー・ジンピン)国家主席と多くの時間を過ごした。彼と1万7000マイル以上を旅した。1対1の24時間以上の議論をした。彼が祝福の電話をしてきたとき、2時間の会話をした。彼は本気で世界で最も重要で影響力のある国になろうとしている。彼や他の専制主義者は、民主主義はコンセンサスを得るのに時間がかかりすぎ、21世紀には専制主義に対抗し得ないと考えている。

未来の競争に勝つには、家族、そして子どもたちに一世一代の投資をする必要がある。それが私が今晩、「米国家族計画」を発表する理由だ。米国の家庭、つまり米国が直面している4つの最大課題に取り組むものだ。

1つ目は良質な教育を受ける権利だ。米国は前世紀、12年間の公的教育を義務化し、世界で最も教育水準が高く整った国となった。それこそ、我々を21世紀に今の地位に押し上げた大きな理由だと考える。だが世界は追いついたか、追いつこうとしている。待ってはくれない。挿話として言うと、我々が超党派の委員会を組織し、「オーケー、政府が提供する無料の教育を決めよう」と言う時、20世紀のように21世紀でも12年で十分と考えるだろうか。私はそうは思わない。21世紀の競争に勝つには、12年間の教育ではもはや十分ではない。

そのため米国家族計画では、米国にいるすべての人にさらに4年間の公的教育を保証する。できる限り早く始める。米国の優れた大学は過去10年に研究を実施した。それによると、全ての3歳児と4歳児に質の高い公的なプリスクール(日本の幼稚園に相当)を2年間加えれば、彼らの環境にかかわらず、(高校まで)12年間を通じて競争できるようになる。(高校を)卒業し、その先に進む展望を大幅に増やす。研究は、子供がデイケア(保育園)ではなく学校に行くと、高校を卒業し、大学やそれ以外に進学する可能性がはるかに高まることを示している。さらにコミュニティ・カレッジ(2年制大学)を2年間無料で提供すれば、原動力が変わり始める。我々にはできる。

ペル・グラント(大学生向けの返済不要の奨学金)を増やし、歴史的黒人大学(HBCU)や先住民向け大学、マイノリティー(少数派)に配慮した教育機関への投資を増やす。その理由は、こうした教育機関は寄付金がないが、学生たちはサイバーセキュリティーや治金学など、将来の雇用を提供する多くの学問を学ぶ同じ能力があるからだ。

ジルはコミュニティ・カレッジの教授であり、現在はファーストレディーとして教壇に立っている。彼女はかねて――一度聞くと何千回も同じことを聞くのだが――「ジョー、教育水準で我々を上回る国は、我々より競争力のある国になる」と言ってきた。彼女はこの取り組みを主導する上で深く関与する。ありがとう、ジル。

ファーストレディーのジル・バイデン氏は自ら教壇に立つ=ロイター

第2に、米国家族計画は質の高い、手ごろな価格のチャイルドケア(育児サービス)を提供する。中低所得層の家庭で、子供が5歳まで高い質のケアを受けるために支払う金額は、世帯収入の7%を超えないことを保証する。最も苦境に置かれている労働者の家庭は、一銭も払う必要はなくなるだろう。

第3に、米国家族計画はついに最長12週間、有給の家族・医療休暇を提供する。米国は(提供していない)世界で少数の先進国の1つだ。誰も、仕事や給料を得ることと、自分自身や親、配偶者、子供など大切な人の世話をすることのどちらかを選ばざるを得ないような状況にあるべきではない。

第4に、米国家族計画は何百万もの家族に直接資金を提供する。3月、我々は、一家の子供全員を対象とした税額控除を拡大した。6歳未満の子どもには最大3000ドル、6歳以上には3600ドルの子ども税控除が適用される。親が2人、子供が2人なら7200ドルが財布に入り、家族の生活を支えることができる。6500万人超の子どもを支援し、子どもの貧困を半減させることができる。それは可能だ。それを、成立させた直近の法案で実現した。少なくとも25年末までは子どもの税額控除を延長しよう。

米国救済計画は、医療保険制度(オバマケア)の下で保険を購入した900万人の米国人の医療保険料を下げた。それは、議場のこちら側ではとても人気があると分かっている。彼らの保険料が再び上がらないよう、この条項を恒久的なものにしよう。

医療保険制度 「医療は特権ではなく権利」

家族計画に加えて、私は議会と協力し、米国の家族にとって重要な他の優先事項にも今年中に取り組む。医療保険制度改革法は、既往症のある人や女性の健康を守り、何百万人もの米国人の命綱となってきた。パンデミックで、この制度がいかに必要とされているかが明らかになった。医療保険改革法を利用している働く家族の医療保険の免責額(自己負担額)を下げ、処方薬の費用を減らそう。どうすればいいかは分かっている。前大統領はそれを目的としていた。薬の費用がどれほど法外に高額かは周知の事実だ。実際に米国で我々が支払っている処方薬は世界で最も高価だ。同じ薬で、他国の約3倍にもなる。それを変えなくてはならないし、変えられる。

私が議会にいた間中、いつも議論していたことを実行しよう。メディケア(高齢者向け公的医療保険)には、処方薬の価格を下げる交渉によって数千億ドルを節約する力を与えよう。ところで、それはメディケアの加入者だけでなく、すべての人の処方薬費用を下げることができる。節約した数千億ドルものお金は、医療保険制度を強化し、メディケアの適用範囲と給付を拡大するために使える。納税者には1セントの追加負担もかけない。それは我々の力が及ぶ範囲内にある。今すぐやろう。

我々は民主党員、共和党員を問わず十分に長い間話し合ってきた。今年はそれを実現しよう。これはすべて単純な前提に基づいている。米国では医療は特権ではなく権利であるべきだということだ。

税制改革 富裕層と企業に増税、「中間層は十分払っている」

では私の雇用計画や家族計画の費用はどうすれば良いのか。私は赤字を増やすことなく実現できると明言してきた。まず、私がしないことから話していこう。私は年収が40万ドル未満の人々への増税はしない。米国の企業や最も豊かな1%の富裕層にも公平な負担をしてもらう時が来た。彼らが公正な負担を払うだけだ。民主党の友人と議論することがある。億万長者にも百万長者にもなることができるべきだが、公平な負担をすべきだ。

最近の調査によると米国の大企業のうち55社は、前年の連邦所得税の納税額がゼロだった。その55社は400億ドルを超える利益を上げた。多くの企業がスイスやバミューダ、ケイマン諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)を通じ、税金の支払いをくぐり抜けている。そして彼らは、(海外に委託する)オフショアの仕事や海外への利益シフトを可能にする税の抜け穴の恩恵を受けている。これは正しいことではない。

法人税の改革を行い、彼らが公正な負担を支払うようにし、そして彼らのビジネスが恩恵を受ける公共投資に振り向ける。私たちは富ではなく、仕事に報酬を与える。年収40万ドル以上の最も裕福な1%の米国人について、最高税率を39.6%に戻す。これは、ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領に就任したときの水準だ。これがジョージ・W・ブッシュ氏が大統領だったときの水準だ。

ワシントンの内国歳入庁=ロイター

年収100万ドル超の米国人が支払うキャピタルゲイン(株式などの譲渡益)税率が、米国人労働者の所得税率よりも低いという税の抜け穴をふさぐ。これは、全米国人の1%のなかの10分の3にしか影響しない。1%の10分の3だ。内国歳入庁(IRS)は、税金の支払いを逃れている百万長者や億万長者たちを取り締まるだろう。それは、左派、右派、そして中道派のシンクタンクによって数十億ドルに上ると推計されている。

誰かを罰するつもりはない。この国の中間層の税負担は増やさない。彼らは既に、十分に支払っているからだ。私の提案は公正であり、財政的に責任を果たせ、私が提案した計画の財源となり、経済を成長させ、米国の財政状態を強化する何百万人もの雇用を生み出すと考える。上位1%の富裕層と米企業に対して増税したくないという人がいたら、尋ねてみてほしい。「代わりに誰の税金を上げ、誰の税金を減らすのですか」と。

2017年の大幅減税をみてほしい。減税自体が対価を支払い、莫大な経済成長を生み出すはずだった。そういう売り文句だった。しかし、2兆ドルの赤字が上乗せされた。米企業とそのトップにとっては、思いがけない収入となった。節税を賃金上昇や研究開発投資につなげる代わりに、最高経営責任者(CEO)の懐に数十億ドルが入った。実際、CEOと従業員の賃金格差は、過去最大規模にまで膨らんでいる。ある調査によると、CEOは平均的な従業員の320倍の収入を得ている。これは以前は100倍未満だった。

パンデミックは、事態をさらに悪化させただけだ。2000万人の米国人が職を失った。働く、中間層の米国人だ。同時に、約650人の億万長者の純資産は、1兆ドル以上増加した。全く同じ期間にだ。もう一度言わせて欲しい。このパンデミックの間、650人が1兆ドル以上も富を増やした。彼らの純資産は今や4兆ドル以上だ。

米国民の皆さん、(富裕層が豊かになれば、低所得層にも効果が波及するという)トリクルダウン理論は、一度も機能したことがない。底辺を引き上げ、中間層を起点に経済を成長させるときだ。左派、右派、中道右派のエコノミストが、私の提案は何百万人もの雇用を創出し、歴史的な経済成長を生み出すとの見方で一致している。これは国としてできる、最も価値の高い投資だ。

同盟重視 「あらゆる危機に単独で対処できる国はない」

私は度々言ってきた。私たちは単に力を持っていることを示すのではなく、我々の事例そのものが米国の最大の力であると。38人か40人以上になる世界のリーダーとの会話のなかで、「アメリカが戻ってきた」ことを知らせてきた。彼らが何を言うかというと、私が最も多く聞くコメントは「アメリカが戻ってきたのは分かるが、どれだけ長くだろうか」ということだ。米国民の皆さん、我々は戻ってきただけでなく、私たちがここに居続けるということ、単独で進むことはないということを示さなければならない。同盟国を率いていくのだ。

テロや核拡散、大量移民、サイバーセキュリティー、気候変動、そして今経験しているパンデミックに至るまで、あらゆる危機に単独で対処できる国はない。ウイルスを寄せ付けない、高い壁はないのだ。米国が第2次世界大戦中に民主主義国の兵器庫であり、世界に影響を与えたのと同じように、自国のワクチン供給がニーズを満たしたのであれば、他国のためのワクチンの兵器庫となる。しかしその前に全ての米国民はワクチンによって新型コロナウイルスから守られる。

気候変動対策 「歴史の変曲点」、コンセンサスはある

気候変動問題は私たちだけの闘いではない。これは世界的な戦いだ。米国は、炭素排出量の15%弱を占めている。その他の地域が85%を占めている。だからこそ、大統領就任初日にパリ協定に復帰する約束を守った。我々が全てを完全に実施すれば、結局は問題とならないからだ。就任後最初の100日間で、中国やロシア、インド、欧州連合(EU)など世界の主要国とともに、米国で気候変動サミットを開催するという約束も守った。

私は非常に率直でありたい。そこにコンセンサスがあること、私たちが歴史の変曲点にあるということを、世界に見てもらいたかった。コンセンサスとは、私たちが地球を救うために行動すれば、何百万人もの雇用と経済成長を生み、そして世界のほぼすべての人の生活水準を上げる機会を作ることができるということだ。皆さんは忙しく、時間がなかったと思うが、(サミットを)少しでも見たならば、これこそ事実上全ての国、公平な負担をしていない国でさえもが言ったことだ。

対中、対ロシア政策 「すべての国が同じルールで競う」

私の提案する投資は、中間層に利益をもたらす外交政策も前進させるだろう。これは中国を含め、すべての国が世界経済のなかで同じルールで競うことを意味する。

中国の習近平国家主席=AP

中国の習近平国家主席との会談で、「私たちは競争を歓迎する。対立を望んでいるのではない」と話した。ただ、全面的に米国の利益を守ることも明確にした。米国は、国有企業への補助金や米国の技術と知的財産権の窃盗など、米国の労働者や産業を弱体化させる不公正な貿易慣行に立ち向かう。

私はまた習主席に「紛争を始めるためでなく防ぐために、欧州での北大西洋条約機構(NATO)と同じように、インド太平洋地域で強力な軍事プレゼンスを維持する」とも伝えた。そして、多くの世界の指導者に伝えたように、米国は人権と基本的自由、同盟国へのコミットメントから離れることはないと話した。

また彼に指摘した。基本的人権が侵害された場合、責任ある米大統領は黙ってはいられないと。大統領は、国がよって立つ本質を代表しなければならない。米国は歴史上最も唯一無二の存在だ。私たちは皆、平等に生まれた。それが我々であり、その原則を離れることはできない。我々はその米国の思想と取り組んでいる。

ロシアに関しては、懸念している人がいると思うが、プーチン大統領に対して、事態をエスカレートさせるつもりはないものの、彼らの行動が本当だと分かれば結果を伴うということを明確にした。だからこそ、私はロシアによる選挙への干渉や政府や企業へのサイバー攻撃に対し、直接かつ相応の対応をした。彼らはこうしたことを行い、私は対応すると言い、対応した。ただ、互いの利益につながるときには協力することもできる。(核軍縮の枠組みである)新戦略兵器削減条約(新START)を延長したときは協力し、気候変動問題でも協力しようとしている。しかし彼は我々が応酬すると理解している。

米国や世界の安全保障に大きな脅威を与えるイランと北朝鮮の核問題については、両国の脅威に対処するため、外交と厳しい抑止力を通して同盟国と緊密に協力する。

アフガニスタン、対テロ戦略 「米軍を帰還させる時がきた」

米国のリーダーシップとは、アフガニスタンにおける永遠の戦争を終わらせることを意味する。私たちは、誇張なく、世界の歴史のなかでも最大の戦闘力を持っている。そして私は、戦場で戦う息子を持つことの意味を知るこの40年で最初の大統領だ。かつて自分の親が駐留した同じ戦場に駐留している兵士たちがいる。アフガニスタンには(米同時テロが発生した2001年)9月11日に、まだ生まれていなかった兵士がいる。アフガニスタンでの戦争は、ここでの議論を思い出せば、多世代にわたる国家の建設を意図したものでは決してなかった。

9月11日に米国を攻撃したテロリストを捕らえるため、私たちはアフガニスタンに行った。そのために(国際テロ組織アルカイダの指導者)ウサマ・ビンラディンを地獄の門まで追い詰めると言った。(アフガニスタンの)クナール峡谷北部に行ったことがあれば、地獄の門を見たようなものだ。そしてビンラディンに裁きを加えた。アフガニスタンでのアルカイダによるテロの脅威を後退させた。20年間に及ぶ米国の勇気と犠牲を経て、米軍を帰還させる時がきた。

そうしても、米国本土への将来の脅威を抑える能力を維持する。間違いなく、20年でテロは転移してきた。テロの脅威はアフガニスタンを超えて拡大した。情報委員会や外交委員会、軍事委員会の方々はよく分かっているように、どこから向かってきたとしても米国への脅威に対する警戒は続けなくてはならない。アルカイダや過激派組織「イスラム国」(IS)は、イエメン、シリア、ソマリア、アフリカの他の地域、中東、それ以外の地域にも存在する。

人種、性的少数者、女性 「白人至上主義はテロ」

そして米国の情報機関が米本土にとって最も致命的なテロの脅威と判断したものを見逃しはしない。白人至上主義はテロだ。それを無視することはしない。

ジョージ・フロイドさん殺害後、黒人差別への反対運動は全米に広がった=ロイター

米国民の皆さん、我が国の魂を癒やすために、団結しなければならない。ジョージ・フロイドさんの幼い娘であるジャンナ・フロイドさんと話したのは、ほぼ1年前、彼女の父親の葬儀の前だった。彼女は小さな子供なので、目線を合わせられるようひざまずいて話をした。彼女は私を見て「パパが世界を変えた」と語った。

ジョージ・フロイドさんを殺害した者に対して有罪評決が下った後、彼女がいかに正しかったがよく分かる。議会として行動する勇気があれば。黒人の首に、膝を押さえつける不正を多くの人が目にした。今こそ、真の進歩を遂げるチャンスなのだ。制服を身につけ、バッジを着用する大多数の男女は、地域社会に立派に奉仕している。私は彼らを知っている。彼らもこの焦眉の急に応じたいということを知っている。米国民よ、法執行機関と国民の間の信頼を再構築し、刑事司法制度における制度的人種差別を根絶し、下院を既に通過したジョージ・フロイドさんの名を冠した警察改革を制定するために、我々は団結しなくてはならない。

共和党には共和党の考えがあり、上院で民主党と生産的な議論を進めている。コンセンサスを見いだすために、協力する必要がある。来月、ジョージ・フロイドさんの1周忌を迎えるまでに、なし遂げよう。

国はこの改革を支持している。議会は行動すべきだ。私たちには、道徳の弧を正義の方向へ向ける大きなチャンスがある。きょう私が示した提案には、米国と米国民の生活を悩ませてきた制度的人種差別を根絶させる真のチャンスがある。真の公平性を提供するチャンスがある。質の高い雇用と学校。手が届く住宅。きれいな空気ときれいな水。住宅を購入する機会を得ることで富を生み、それを何世代にも受け継ぐことができる。より多くの米国民――黒人、白人、ラティーノ(中南米系)、アジア系、アメリカ先住民――に真の機会を。

アジア・太平洋諸島系米国人を守る「新型コロナウイルス ヘイトクライム(憎悪犯罪)法案」を94対1で可決した上院に感謝したい。あなた方は敢然と行動した。昨年、そしてあまりにも長い間続いてきたヘイトクライムの凶悪さをテレビで見ることができる。下院も可決し、できるだけ早く私の机に法案を送るよう促す。私は喜んで、待ち切れない思いで署名する。

議会がLGBTQ(性的少数者)米国民を守る「平等法」を私の机に届けることも望んでいる。自宅で視聴している全てのトランスジェンダー(出生時の性と自認する性が一致しない人)の米国民、特に本当に勇敢な若い人たちに、あなたの大統領はあなた方の味方だということを知ってほしい。

そしてもう一つ。27年間法律であり続けてきた「女性に対する暴力防止法」を承認しよう。私は27年前にこの法律を作成した。承認されなければならないこの法律は、「ボーイフレンドの抜け穴」をふさぎ、虐待者が銃を手に入れるのを防ぐ。裁判所が「この人物は虐待者だ。銃を持つことはできない」と命じたのだ。法案はその抜け穴を防ぐ。米国では毎月、50人以上の女性が親密な関係のパートナーに射殺されていると推計される。毎月50人だ。法案を可決し、命を救おう。

銃規制 共和党か民主党かの問題であるべきではない

そして言うまでもないが、銃の暴力は米国にはびこる疫病となっている。ジョージア州での乱射事件による8人の犠牲者のためにホワイトハウスの国旗がまだ半旗となっていた時に、コロラド州でさらに10人の命が乱射事件で奪われた。これら2つの事件の間の1週間に、250人の米国の街角で射殺された。250人が射殺された。

この問題で前進することがいかに難しいかは知っている。1990年代、我々はほぼ全ての銃購入に身元確認を義務付け、攻撃用銃器と100発の銃弾を装填でき数秒で発射できる大容量弾倉を禁止する法案を可決した。我々は全米ライフル協会(NRA)を打ち負かした。乱射事件と銃の暴力は減った。10年間の報告を見るといい。

しかし2000年代初期にその法律は失効し、我々はそれ以来、毎日のように流血の惨事を目の当たりにしてきた。法律が継続していたら流血の惨事はなかったと言っているわけではない。2週間以上前、ローズガーデンで私が知る最も勇敢な人々、銃の暴力を生き延びた人々や愛する人を失った家族に囲まれ、私はこの疫病に対処するために司法省が取っているいくつかの措置を示した。

その1つが、いわゆる「ゴースト銃」の禁止だ。ゴースト銃は、銃器を完成させる説明書を含むキットから組み立てる自家製銃だ。部品にはシリアル番号がなく、犯罪現場で発見されても追跡できない。ゴースト銃キットの購入者は身元確認を義務付けられていない。犯罪者からテロリストまで誰もがこのキットを買い、30分ほどで殺傷兵器を組み立てることができる。

しかしもうそうはさせない。私はこの銃の暴力という疫病から米国民を守るために、できる限り全てのことをする。しかし議会も行動する時だ。対立的にはなりたくないが、もっと多くの共和党議員が民主党上院議員の大多数に協力し、銃購入に身元確認を義務付ける際の抜け穴をふさぐことが必要だ。攻撃用銃器と大容量弾倉を禁止する必要がある。できないとは言わないでほしい。以前にやったことで、効果があったのだ。

大部分の責任ある銃保有者やハンターたちと話してみてほしい。彼らは銃器に100発もの銃弾を装填することを正当化はできないと言うだろう。鹿が防弾チョッキを着ているとでもいうのか?銃の購入が可能であるべきでないのに、購入できる人が多すぎると言うだろう。こうした妥当な改革は、多くの銃保有者を含む大多数の米国民の支持を得ている。米国は改革を支持しており、議会は行動すべきだ。これは赤(共和党)か青(民主党)かの問題であるべきではない。また絶対的な憲法への修正はない。混雑した劇場で「火事だ!」と叫ぶことはできない。最初から米国民が保有できない種類の銃器があった。そうした武器を決して保有できない人々がいた。

憲法を変えようというのではない。理性的なだけだ。これは民主党や共和党の問題ではないと考える。米国の問題だ。

移民制度 欠かせぬ存在、消耗的な闘いやめるべき

もう一つ我々ができることがある。移民は常に米国にとって不可欠な存在だった。移民を巡る消耗的な闘いをやめようではないか。30年以上も、政治家たちは移民制度改革を議論し、何もしてこなかった。それを解決するときだ。大統領就任初日に、私は約束を守り議会に包括的移民制度法案を送った。堅固な国境が必要だと考えるなら、その法案を可決してほしい。その法案はハイテク国境警備のための多額の予算を含んでいるからだ。(不法移民の)市民権獲得への道が必要と信じるなら、その法案を可決してほしい。1100万人以上の合法滞在書類を持たない人々のために。その大半は査証(ビザ)のオーバーステイだ。本当に問題を可決したいなら、私は検討してもらうために法案を送った。

米メキシコ国境には移民希望者が押し寄せている(テキサス州)=AP

グアテマラやホンジュラス、エルサルバドルから人々が特に米国の南部国境に逃げてくる理由である問題の根本にも対処しなくてはならない。暴力。腐敗。ギャング。不安定な政治。飢餓。ハリケーン。地震。自然災害。

私が副大統領だった時、大統領は私にこうした移民の根本原因に対処するために必要な支援に取り組むよう要請した。自国を離れざるを得なくなる代わりに、人々が自国にとどまるのを助けた。我々のプランは効果を上げていたが、前政権はやる価値がないと判断した。そのプログラムを再建し、ハリス副大統領に対応のための外交努力を率いるよう頼んだ。彼女がその仕事をなし遂げると絶対の信頼を置いている。

あなた方が私のプランを気に入らないのなら、少なくとも合意していることを可決しよう。議会は、今年こそドリーマー、母国は米国しか知らない若者たちを保護する法案を可決する必要がある。そして人工および自然の暴力と災害に悩まされている国々から来た、一時的保護措置下にある移民の恒久的保護も必要だ。そして我々のテーブルに食べ物を提供する農業従事者にも市民権獲得への道を開く必要がある。

移民は(新型コロナウイルスの)パンデミックの間、また米国の歴史を通して、米国のためにたくさんのことをしてくれた。米国は移民制度改革を支持している。我々は行動すべきだ。議論し、議論を戦わせよう。しかし行動しよう。

投票権 神聖な権利が攻撃を受けている

そして我々が真に米国の魂を取り戻すには、神聖な投票の権利を保護する必要がある。先の大統領選では史上最も多くの人々が投票した。史上最悪のパンデミックの1つのさなかでだ。それは祝うべきことだ。その代わりに攻撃を受けている。議会はHR1(選挙改革法案)とジョン・ルイス投票権法案を可決し、私の机にすぐに送るべきだ。米国はそれを支持している。議会も直ちに行動すべきだ。

民主主義 未来は米国にある

締めくくりとして、我々が今夜ここに集うとき、この議事堂を襲い、米国の民主主義を冒涜(ぼうとく)した暴徒のイメージは我々の心に生々しく残る。生命が危険にさらされた。あなた方多くの命がだ。生命が失われ、並外れた勇敢さが呼び起こされた。暴動は実存的危機だった。米国の民主主義が生き残れるかどうかのテストだった。民主主義は生き残った。

しかし苦闘は終わりにはほど遠い。米国の民主主が長く持続するかどうかという問いは、古くもあり切迫してもいる。我々の共和国ほど古く、今日いまだ重要な問いだ。我々の民主主義は、神の前に平等に創られた我々全てが、尊厳と尊重、可能性の人生を送る機会を持つという約束を果たすことができるだろうか?我々の民主主義は、米国民の最も差し迫ったニーズに応えることができるだろうか?我々の民主主義は、我々を分裂させてきた嘘や怒り、憎悪、恐怖を克服することができるだろうか?

米国の敵である世界の独裁者たちは、できないと賭けている。彼らは、我々が怒りと分裂、激情で満ちすぎていると考えている。彼らは、議事堂を襲った暴徒のイメージを、米国の民主主義の落日を示す証拠とみている。しかし彼らは間違っている。あなた方も分かっているし、私も分かっている。しかし我々は彼らが間違っていると証明しなくてはならない。

民主主義はまだ機能すると証明しなくてはならない。我々の政府はまだ機能しており、国民のために政策を実行することができると。最初の100日で、我々は政策を実行する米国の民主主義への人々の信頼を取り戻すために行動してきた。

我々は米国民にワクチンを接種している。多くの新たな雇用を創出している。人々が生活の中で見て、感じることができる真の結果を出している。機会への扉を開き、よりよい公正さと正義を保障している。これが米国の神髄だ。活動中の民主主義だ。我々の憲法は、使い古されたように聞こえるだろうが、「われら人民は」という言葉で始まる。「われら人民」が政府であることを思い出すときだ。あなた方と私だ。遠い首都にある何かの力ではない。我々の影響力が及ばない何か強力な力ではない。我々だ。「われら人民」なのだ。

我々の民主主義が試されたもう1つの時代に、フランクリン・ルーズベルトは我々に思い出させた。「米国では、我々はそれぞれの役目を果たす」と。私がお願いしているのはそれだけだ。我々皆がそれぞれの役目を果たすことだ。そうすれば、我々は民主主義は永続性があり、強固であると証明し、この時代の中心にある困難を乗り切るだろう。独裁者は未来を勝ち取ることはない。アメリカが勝ち取るのだ。未来は米国にある。

私は今夜、我々の民主主義と国家の一生における新たな、重要な時に皆さんの前に立っている。そして絶対的な自信を持って言える。アメリカについてこれほど自信を持ち、楽観的であったことはないと。私が大統領だからではなく、米国民に起きていることのためだ。我々は暴動と専制主義、パンデミックと痛みの深淵を見据えてきたが、「われら人民」はひるまなかった。我々の敵が我々は分裂し失敗すると確信したそのとき、我々は団結した。結束した。光と希望と共に、我々は21世紀の競争に勝つ位置に立つための新たな力と新たな決意を呼び起こした。より完全で、より繁栄する、より公正な連邦に向けて前進する道へ。1つの国民、1つの国家、1つのアメリカとして。

皆さん、私が長年の間に会ってきた世界の指導者に言ったとおり、アメリカが負けることへの賭けが、いい賭けであったことは一度もない。今でもそうではない。我々はアメリカ合衆国だ。我々の能力を超えるものは何も、何もない。共に取り組めば、心に決めたことは何でもできる。団結しようではないか。

皆さん全てに神のご加護を。米軍に神の加護を。長い時間ありがとう。

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