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菅首相退陣、「コロナ禍での対話不足」 海外メディア

海外メディアは菅首相の退陣を一斉に報じた=ロイター

【ニューヨーク=吉田圭織】菅義偉首相が3日、自民党総裁選への不出馬を表明した。首相の退陣を一斉に報じた海外メディアは、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかでの国民との対話不足を指摘した。

菅首相はコロナ対応で緊急事態宣言を繰り返し発動し、支持率の低下を招いた。英エコノミスト誌は「菅首相の最大の問題は効果的な説明ができなかったこと。演説も無味乾燥な官僚の説明のようだった」と、コミュニケーション不足を指摘した。危機時には政治家から思いやりを感じたい国民が多いとし、「菅首相からはそれを得られなかった」とする米コロンビア大のジェラルド・カーティス氏のコメントも添えた。

一方で、2050年に温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を定めた気候変動対策や、デジタル庁の創設などの成功もあったと論評した。

菅氏の自民党総裁選への不出馬表明を受けて3日の日経平均株価は大きく上昇した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、菅氏の後任が経済対策を強化するとの市場関係者の見方を伝えた。米経済テレビのCNBCも株価の反応を伝え、「次期首相は失われた国民の信頼回復が課題になる」との声を紹介した。

米ブルームバーグは意見欄で、国民が複雑な気持ちを抱いていた東京五輪の開催やインド型(デルタ型)の感染拡大に直面した菅氏について「不運に見舞われた男として歴史に残るかもしれない」との分析を掲載した。

「パンデミック(世界的大流行)下でリーダーを務めたい人はいるだろうか」とし、コロナ対応を巡って政権が逆風を受けている国は日本だけではないと指摘した。8月にはコロナ感染が急拡大したマレーシアのムヒディン首相が辞任した。20日に投開票を予定するカナダの総選挙ではトルドー首相率いる与党・自由党が苦戦している。オーストラリアでも野党の労働党が支持を集めている。

シンガポールのストレーツ・タイムズ紙は8月、日本の首相を巡る「オリンピックジンクス」を伝えた。これまで日本では五輪開催後1年以内に首相が辞任したと指摘。1964年の東京五輪後には池田勇人氏が辞任。72年の札幌冬季五輪の後には佐藤栄作氏が退いた。98年の長野冬季五輪の後には橋本龍太郎氏が辞任している。今回の退陣で菅氏もジンクスを覆せなかったことになる。

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