新興国債券、資金流出続く 米利上げや地政学リスク警戒

【ニューヨーク=斉藤雄太】国際金融協会(IIF)が3日発表した外国人による新興国への投資動向によると、中国を除く新興国の債券は7億ドル(約800億円)の資金流出になった。資金流出を記録するのは2カ月連続。米連邦準備理事会(FRB)の利上げが迫っていることへの警戒に加え、ウクライナ情勢の緊迫といった地政学リスクの高まりが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
中国の債券は83億ドルの資金流入になった。IIFは「市場は中国経済の回復が他の多くの新興国よりも迅速に進むとみている」と分析。FRBの急速な引き締め観測などを背景に年初から資産価格の変動が大きくなるなか「投資家はより選択的に行動するようになった」と指摘した。
2月下旬にロシアがウクライナに侵攻を始め、原油など資源価格の高騰が続いている。IIFは資源国への投資マネー流入につながる可能性を指摘する一方、金融市場の変動が大きい状態が続けば、新興国全体に逆風になるとみている。

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