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ロシア、港湾狙い南部侵攻 ウクライナ海上輸送遮断

(更新)

ロシア軍がウクライナ南部の港湾都市へ攻勢を強めている。海上輸送を遮断し経済に打撃を与えて譲歩を迫る。ロシア軍はウクライナ周辺に集めた兵士の9割を投入したとみられ、首都キエフにも攻勢をかける構えだ。

「ロシアが攻撃をやめなければ、さらなる厳しい制裁を科すことになると一致した」。林芳正外相は4日にオンラインで参加した主要7カ国(G7)の外相協議後、記者団に明らかにした。

ドイツ政府は4日、ショルツ首相がロシアのプーチン大統領と電話協議したと発表。ドイツ政府によるとプーチン氏はショルツ氏に、ロシアとウクライナが週末に3回目の対話を予定していると伝えた。

米国防総省高官は4日、記者団にウクライナ周辺に集結したロシア軍の92%がウクライナでの軍事作戦に参加したとの分析を明らかにした。米政権は2月中旬、集結したロシア軍は少なくとも16万9千人と推計しており、15万人以上がウクライナに入ったとみられる。

軍事作戦は南部で進展が目立つ。複数の米メディアはロシア軍が黒海に近い港湾都市ヘルソンを制圧したと報じた。

高官はロシア軍がヘルソンを押さえれば別の港湾都市オデッサへ進軍するシナリオに言及。米報道によると、部隊がウクライナ領クリミア半島の海軍基地からオデッサに向かっており挟み撃ちを狙う可能性がある。

ロシア軍はアゾフ海に面する港湾都市マリウポリにも迫る。いずれの港湾都市も穀物などの輸出拠点だ。元米軍高官のベン・ホッジス氏は「民間船が港湾にアクセスできなければ経済は崩壊する」と懸念を示す。

国防総省高官は南部で作戦が進む理由についてロシアが2014年に併合したクリミア半島を拠点にしていることを挙げる。高官は「後方支援態勢は完璧ではないが洗練されている」という。

一方、キエフへの進軍は進展に乏しい。高官はロシア軍が4日時点でキエフ中心部から北方に25キロメートルに位置し2月28日から前進していないとみる。

ウクライナでは市民も戦闘に加わる。米ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン上級研究員は「ロシアが最終的に勝利するとみるが、多大な犠牲を払う。長期間にわたり泥沼にはまるかもしれない」と語った。

北大西洋条約機構(NATO)は4日の外相理事会で、ウクライナの領空や領土にNATOの航空機や軍隊を展開すべきでないとの考えで一致した。ストルテンベルグ事務総長が会合後の記者会見で明らかにした。

同氏は「今後数日でより悪くなる可能性が高い」と死者や被害が増えそうだとの見解を表明。プーチン氏に無条件で撤退するよう求めた。

ロシアからも非難の声があがる。石油大手ルクオイルは3日発表の声明でロシアによるウクライナ侵攻を非難した。同国の主要企業で今回の軍事侵攻を公に批判したのは初めてとみられる。発表後に同社のサイトは閲覧が制限されているが、SNS(交流サイト)で発表内容が拡散されている。(ワシントン=中村亮、ブリュッセル=竹内康雄、ベルリン=石川潤)

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ウクライナ侵攻

ロシアがウクライナに侵攻しました。NATO加盟をめざすウクライナに対し、ロシアはかねて軍事圧力を強めていました。米欧や日本は相次いでロシアへの制裁に動いています。最新ニュースと解説をまとめました。

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