カナダ、米極右「プラウド・ボーイズ」をテロ組織認定

【ニューヨーク=白岩ひおな】カナダ政府は3日、トランプ前大統領を支持する極右団体「プラウド・ボーイズ」をテロリスト組織と認定した。プラウド・ボーイズが暴力の扇動や動員に加担し、1月6日の米連邦議会議事堂の占拠事件で「極めて重要な役割」を果たしたと指摘した。
リストに追加されると、警察や銀行がグループやメンバーの財産などを差し押さえることができる。グループのメンバーは、カナダへの入国を拒否されることがあるという。これまでに国際テロ組織アルカイダや過激派組織「イスラム国」(IS)などが指定されている。
プラウド・ボーイズは2016年、カナダ・英国系の極右活動家で米国とカナダのバイス・メディア共同創設者、ギャビン・マクインズ氏が設立した。自称「西洋優越主義者」の男性のみが会員で、米人権団体「南部貧困法律センター(SPLC)」はヘイトグループと見なしている。20年9月の大統領選候補者討論会では、トランプ前大統領がプラウド・ボーイズに対して「下がって待機せよ」と発言したことが問題視された。
プラウド・ボーイズのメンバーはオレゴン州ポートランドなどでの「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」運動のデモ隊らと激しく衝突し、1月にはリーダーのエンリケ・タリオ氏がBLM運動の旗を燃やした容疑で首都ワシントンで逮捕された。連邦議事堂の占拠では複数のメンバーが警官への暴行や器物損壊、共謀罪などで訴追されている。