5月の米非製造業景況感、64.0に上昇 過去最高を更新

【ワシントン=長沼亜紀】米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した5月の非製造業(サービス業)景況感指数は64.0と、前月から1.3ポイント上昇した。2カ月ぶりの上昇で、3月の63.7を上回り過去最高を更新した。
ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(62.5程度)を上回った。アンケート対象の18産業すべてが成長を報告した。
「企業活動・生産」が66.2で3.5ポイント、「新規受注」も63.9で0.7ポイントそれぞれ上昇した。回答企業からは「ビジネスは着実に回復しており、良好な収益が戻ってきた」(医療・福祉)、「販売目標を上回っている」(卸売業)など、景気回復を示す報告が相次いだ。
一方、他の指数は供給網の混乱や仕入れ価格の上昇が続いていることを示唆した。需要急増と供給網の逼迫で入荷の遅れが深刻化しており、「入荷遅延」が70.4で4.3ポイント上昇した。港の混雑を懸念する企業が複数あり、「生育シーズンに必要な製品を届けられない」(農業・林業・漁業・狩猟)といった声も聞かれた。
「価格」は80.6で3.8ポイント上昇し、過去最高だった2005年9月以来約16年ぶりの高さとなった。「機材や資材の供給業者が値上げをしており、ほぼ毎日新価格を聞く」(建設業)、「銅、鉄、ポリ塩化ビニールを含む製品の価格急騰を非常に懸念している」(小売業)といった声が聞かれた。