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米ロビンフッドが上場目論見書 1~3月売上高は4倍に

スマホ証券ロビンフッドは上場に向けた目論見書を提出した=AP

【ニューヨーク=吉田圭織】米スマホ証券のロビンフッド・マーケッツは1日、新規株式公開(IPO)に向けた目論見書を提出した。2021年1~3月期の売上高は5億2220万ドル(約580億円)となり、前年同期比4倍に膨らんだことが分かった。個人投資家の株式取引ブームを追い風に業績を伸ばしている。

米証券取引委員会(SEC)に目論見書を提出した。上場先はナスダック市場となる。早ければ今夏のIPOを目指しており、投資家向け説明会(ロードショー)を経て公開価格を決める。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、上場時の時価総額は400億ドルを超えるとみられている。

ブラッド・テネフ最高経営責任者(CEO)は13年、米スタンフォード大学時代の同級生で、現在は新規事業開発を担当するバイジュ・バット氏と組み、ロビンフッドを創業した。米大手金融機関への反発で始まった11年の「ウォール街を占拠せよ」運動に触発され、富裕層以外にも金融サービスの裾野を広げようと考えた。

ロビンフッドは企業理念に「金融の民主化」を掲げる。米証券界ではいち早く売買手数料の無料化に踏み切った。チャールズ・シュワブなどネット証券大手が追随を迫られ、個人の株式売買ブームにつながった。ロビンフッドは今回の上場時に株式の20~35%を自社のアプリを通じて個人投資家に販売する計画だ。

目論見書によると21年1~3月期の稼働口座数は前年同期比2.5倍の1800万だった。新型コロナウイルスの感染拡大で若者が「巣ごもり」を迫られ、株式や暗号資産(仮想通貨)の無料取引に飛びついた。信用取引を可能にする有料の「ゴールド」会員は全体の1割強にすぎない。

20年12月期通期の売上高は前の期比3.4倍の9億5900万ドルだった。最終損益は744万ドルの黒字(前の期は1億650万ドルの赤字)に転じた。収入の大半は超高速取引業者(HFT)などマーケットメーカー(値付け業者)から得ている。個人投資家の売買注文を回送する見返りとして「リベート」を受け取り、その一部を取引無料化の原資にしている。

注文回送の仕組みは「ペイメント・フォー・オーダーフロー(PFOF)」と呼ばれている。目論見書によると20年12月期通期にシタデル・セキュリティーズなどマーケットメーカーから得たリベートは売り上げ全体の75%を占めた。21年1~3月期には81%に上昇し、開示のある19年1~3月期以降で過去最高となった。

PFOF依存度の高まりは懸念材料だ。米議会の民主党左派はリベート慣行を問題視しており、SECも調査に乗り出している。ロビンフッドは目論見書の中で経営リスクとして「PFOFを巡る規制が新たに導入されたり、強化されたりした場合、コンプライアンスコストの増加や、取引関連収益の大幅な減少につながる可能性がある」と指摘した。

ロビンフッドに対する規制当局の監視も強まっている。米マサチューセッツ州当局は投資の「ゲーム化」を通じて経験が浅い個人投資家に害を与えているとして、同社を提訴した。米金融取引業規制機構(FINRA)からは投資家保護の不備を指摘され、このほど制裁金約7000万ドルを支払うことで合意した。

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