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米ホテル決算、「リベンジ旅行」で急回復 デルタ型懸念

(更新)

【ニューヨーク=西邨紘子】米ホテル大手の業績が急回復している。マリオット・インターナショナルなど大手3社がこのほど発表した2021年4~6月期決算は、2社の最終損益が黒字に転じた。新型コロナウイルスのワクチン接種が進みレジャー目的の宿泊が急増した。各社とも21年後半にかけて業績の回復基調が続くと見るが、インド型(デルタ型)の感染拡大で先行きには不透明感も増している。

マリオットが3日発表した4~6月期は、売上高が31億4900万ドルと、前年同期から倍増した。最終損益は前年同期の2億3400万ドルの赤字から4億2200万ドルの黒字に転じた。収益力の基準となる「1部屋あたりの売上高」は約70ドルと4倍近くに上昇した。ヒルトン・ワールドワイドも最終損益が黒字に転換。ハイアット・ホテルズは900万ドルの最終赤字が残ったが、赤字幅は2億3600万ドルから縮小した。

業績回復をけん引したのは米国市場だ。ワクチン接種の広がりによるコロナ感染急減が夏季の旅行シーズンと重なり、コロナ禍でたまったストレスを晴らしたり家族や友人と再会したりする「リベンジ旅行」が活発になった。リゾートホテルなどを中心に客室価格も上昇した。

目下の課題は人手不足だ。各社は20年にコロナ流行下で大規模な人員絞り込みを進めた。一時解雇された従業員には既に別の業種に転職した人も多いとされ、ヒルトンのナセッタ最高経営責任者(CEO)は「労働力不足は業界全体にとって最大の課題だ」と危機感を募らせる。マリオットは雇用契約時のボーナス提示や求人イベントの開催、賃上げなどの対応を進めているとした。

米国のレジャー宿泊の好調さが目を引く一方、コロナ前の水準と比べると回復は道半ばだ。19年4~6月期と比べた「1部屋あたりの売上高」はハイアットが49.8%減と落ち込む。マリオットやヒルトンも19年比で4割程度の減少と、低い水準が続く。

需要回復は地域のばらつきも大きい。マリオットの客室稼働率は北米では5割半ばだったが、欧州では2割台、アジア太平洋(中国を除く)は約3割にとどまる。ヒルトンも米国では稼働率が6割を超えたが、欧州は3割程度だった。

レジャー需要が一服する9月以降にカギを握るのはビジネスや団体需要の動向だ。マリオットは「9月以降にハイブリッド型で出社勤務の再開が進めば、ビジネス需要回復に向けた転換点となる」(カプアノCEO)と期待を寄せる。

足元では米国各地でデルタ型の感染が急拡大し、米企業の間ではオフィス勤務再開のタイミングを見直す例が相次ぐ。ヒルトンのナセッタCEOは投資家に対し、ビジネスや団体需要は改善が見込まれるとする一方、回復のタイミングについては「予測が難しい」(同CEO)と明言を避けた。マリオットのカプアノCEOも「デルタ型や他の変異ウイルスの動向を注視している」と警戒を強めている。

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