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米、ワクチン拒否層に圧力広がる 感染原因巡りなお分断

(更新)
感染拡大が深刻となるなか、ワクチン拒否層に対する圧力は広がっている(ニューヨーク市の反ワクチン運動)=ロイター

【ニューヨーク=野村優子】米国で新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻となるなか、感染増の原因についての見解で分断が生まれている。ワクチン接種者は未接種者が主因だとみている一方、未接種者の間では外国人旅行客に責任があるとの見方が多い。企業や州などでワクチン接種やマスク着用を義務化する動きが相次ぐなか、ワクチン拒否層に対する圧力が広がっている。

米ニュースサイトのアクシオスと調査会社イプソスが3日、共同調査を公表した。ワクチン接種者と未接種者に対して「感染者数の増加や変異ウイルスの拡大について、どのグループが原因だと考えますか」と聞いた。接種者のうち、最も多かった回答が「未接種者」の79%、次いで「トランプ前大統領」の36%だった。一方、未接種者で最も多かったのが「外国人旅行者」で37%、次いで「主流メディア」が27%だった。

イプソスの米国広報部長、クリフ・ヤング氏は調査結果について「これは本質的には政治問題だ。私たちは二極化した世界にいる」と指摘した。米疾病対策センター(CDC)によると、ワクチン接種を拒否する人は全体の18%を占める。接種率が低い地域の多くは、共和党の地盤に重なっている。

米国の感染拡大は深刻だ。アワー・ワールド・イン・データによると、米国の新規感染者数(7日移動平均)は2日に8万5千人を超え、およそ5カ月半ぶりの高水準となった。感染力の強いインド型(デルタ型)が8割超を占めるなか、特にワクチン接種率の低い南部州などで感染拡大が顕著となっている。

もっともデルタ型の感染リスクが懸念され、接種ペースはじわりと回復傾向にある。1日あたりの接種回数(7日移動平均)は2日時点で67万回となり、50万回まで落ち込んだ7月上旬から改善している。それでもピークだった4月の338万回に比べると5分の1程度にとどまる。

既にグーグルやフェイスブックなどが従業員にワクチン接種を求めているが、こうした動きはさらに広がる。米メディアは3日、マイクロソフトが9月から米国内のオフィスで従業員にワクチン接種を求めることを明らかにしたと報じた。米食肉大手タイソンフーズも同日、全従業員のワクチン接種を義務付けると発表。従業員の半分以上がいまだ未接種といい、現場で働く接種者には200ドルを出す。ニューヨーク市は同日、レストランやジムなどの屋内で、従業員や客に対してワクチン接種証明の提示を求めることを明らかにした。

マスク着用の動きも加速する。南部ルイジアナ州は2日、「感染拡大が全米最悪レベル」だとして、接種状況にかかわらず屋内・屋外ともに公共の場所でマスク着用を義務化すると発表した。米マクドナルドも同日、感染が広がる地域で、従業員と客にマスク着用を求めると発表した。ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターも3日、全米自動車労組(UAW)と共同声明を出し、4日から米国内の全ての工場やオフィスでマスク着用を復活させる。CDCは7月末、接種を終えた人も屋内でマスクを着用するよう勧告していた。

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