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NY州、仮想通貨採掘で全米初の制限へ「脱炭素に移行」

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【ニューヨーク=大島有美子】ニューヨーク州議会上院は3日、化石燃料の電源を使った暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)を取り締まる法案を可決した。温暖化ガス排出削減のため、大量の電力を必要とする仮想通貨の採掘を制限する。制限に乗り出すのは全米で初めて。仮想通貨業界は猛反発しており、連邦議会や他州にどう波及するかが注目される。

法案は仮想通貨の採掘目的で化石燃料を使う特定の発電所の新規使用許可を2年間停止する内容だ。ビットコインなどで専ら使われている認証の仕組みが制限の対象になる。同州のホークル知事が署名すれば成立する。

仮想通貨の採掘には数千台ものコンピューターを使う。ニューヨーク州では北部を中心に安価なエネルギーを求めてマイニング企業が集まっていた。現地メディアによると、使われていなかった古い化石燃料の発電所を企業が買い取って再稼働する動きもある。地域住民や環境保護団体は反発していた。

同州は2050年までに温暖化ガスの排出を1990年比で85%減らす目標を掲げる。州議会は大規模な排出につながる仮想通貨の採掘事業が目標達成に沿う必要があるとして法案をまとめた。成立すれば再生可能エネルギーでの採掘や、よりエネルギー消費の少ない仕組みを取り入れることが求められる。

関連業界は猛反発している。ブロックチェーン(分散型台帳)の支援団体「チェンバー・オブ・デジタル・コマース」のペリアンヌ・ボーリング代表は日本経済新聞に対し「テクノロジーとグローバル金融の先駆者としてのニューヨーク州の将来を大きく後退させる」と述べた。

米ブロックチェーン協会のクリスティン・スミス事務局長は「暗号資産が同州で歓迎されないという明確なシグナルだ」と話す。「他の州が暗号資産がもたらす経済の発展を積極的に受け入れるなか、逆行する唯一の動きだ」。ホークル知事が法案に署名すれば「同州のマイニング事業に冷や水を浴びせるだろう」と指摘する。

ニューヨーク州議会では民主党が多数派を占めており、同党の連邦議会議員と連動した面もある。左派のウォーレン上院議員は21年12月、同州に拠点を置くマイニング企業への書簡で「地球環境や生態系、消費者の電力コストに与える影響が懸念される」と指摘し、情報提供を求めていた。

一方、ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は仮想通貨への関心が高い。今年1月の就任後に自らの給与の一部をビットコインで受け取るなど、関連産業の振興に力を入れてきた。

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