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ブリンケン米国務長官、中国訪問を延期 偵察気球飛来で

(更新)
【この記事のポイント】
・米本土上空を飛行している事態を踏まえ、訪中は適切でないと判断
・3日朝に中国側に延期を伝達、米高官「主権侵害を容認できず」
・対話に軸足を置いてきた米中関係に再び緊張が高まる恐れも

【ワシントン=坂口幸裕】米国務省は3日、2月上旬に予定していたブリンケン国務長官の中国訪問を延期すると発表した。中国の偵察気球が米本土上空を飛行している事態を踏まえ、訪中は適切でないと判断した。3日朝に中国側に延期を伝えた。

2022年11月の米中首脳会談を受けて高官による対話に軸足を置いてきた両国関係に再び緊張が高まる恐れがある。

国務省高官は3日、記者団に「気球が米領空に存在することは国際法のみならず我が国の主権に対する明確な侵害だ。容認できない」と指摘。「ブリンケン氏が中国を訪れる環境は整っていないとの結論に達した」と述べた。一方、中国との対話は維持するとも強調。「状況が許せば、ブリンケン氏はできるだけ早期に訪中する計画だ」と話した。

ブリンケン氏の訪中は22年11月にインドネシアで対面会談したバイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が23年初めに実現させると申し合わせていた。首脳間の合意が棚上げされるのは異例だ。米本土上空に気球の飛来が確認されたのを受け、米連邦議会から訪中すべきでないとの声が出ていた。

米国防総省高官によると、西部モンタナ州で気球の飛行を確認した。「機密のある場所」の偵察を試みたと分析する。同州には大陸間弾道ミサイル(ICBM)を運用するマルムストロム米空軍基地があり、軍事施設の偵察を狙った可能性がある。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、気球は中国から米アラスカ州付近を通り、カナダ北西部を経由してモンタナ州に入った。気球は民間機の一般的な飛行高度より高い位置を飛行しており、軍が監視を継続する。

米政府には撃墜すべきだとの意見も出た。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長ら米軍幹部が残骸が居住地域に落下するリスクがあるため撃墜すべきでないと進言し、見送った。

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