米フォード、10~12月の純利益1.4兆円 EV株で上場益
(更新)

【ニューヨーク=中山修志】米フォード・モーターが3日発表した2021年10~12月期決算は、最終損益が122億ドル(約1兆4000億円)の黒字(前年同期は27億ドルの赤字)だった。電気自動車(EV)メーカー、リヴィアン・オートモーティブの上場による保有株の評価益が寄与した。半導体不足への対応で大型車の生産を優先し、売上高は前年同期比5%増の377億ドルと増収を維持した。
リヴィアンの21年11月の株式上場に伴い、10~12月期に82億ドルの株式評価益を計上した。南米のトラック事業の撤退などに関連して前年同期に計上したリストラ費用が減少したことも利益を押し上げた。
21年12月期通期の世界販売台数(卸売りベース)は前の期比6%減の394万台だった。売上高は同7%増の1363億ドル、最終損益は12億ドルの赤字から179億ドルの黒字に転換した。
22年12月期の調整後EBIT(利払い・税引き前利益)は前期比15~25%増の115億~125億ドルを見込む。世界販売台数は1~3月に前年の水準を下回るものの、後半にかけて半導体不足が緩和し、通期では10~15%増加すると予測した。今春に主力ピックアップトラック「F-150」のEVモデルを発売し、30年までに世界販売に占めるEV比率を40%以上に高める計画だ。