バフェット氏投資会社、21年株主総会もオンラインのみに

【ニューヨーク=宮本岳則】著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイは3日、2021年5月の年次株主総会を20年と同様にオンラインのみで開くと発表した。同社の総会は例年、世界から約4万人が集まる一大イベントだった。現時点では新型コロナウイルスの感染収束時期が見えず、株主の安全を確保できないと判断した。
バークシャーは21年5月1日に年次株主総会を開く。初のオンライン開催となった20年の総会は、本社近くに設置された「無観客」の会場に、会長のバフェット氏と副会長のグレッグ・アベル氏が登壇し、株主からの質問に答えた。バークシャーは21年もオンラインのみにした理由について「現時点では4万人規模の集会を安全に開催できる確信がない」と説明した。
バークシャーの株主総会は米ロックの祭典ウッドストック・フェスティバルになぞらえて「資本家のウッドストック」と呼ばれる。米ネブラスカ州オマハに米国のみならず、中国など世界中からバフェットのファンが集まり、街中が前日からお祭りムードになる。20年は新型コロナの感染が急拡大した3月に「有人」での開催を断念し、オンラインに切り替えた。総会当日にバフェット氏が全エアライン株の売却を明かし、話題になった。
米国では早ければ12月にも新型コロナ予防ワクチンの接種が始まる。米政権の計画では、21年5月ごろまでに70%前後の予防接種率を目指している。集団免疫の獲得で経済活動は正常化するが、現時点で接種がどの程度広がるか見通せない。来年夏までの大規模集会開催を巡って、企業や自治体は難しい判断を迫られそうだ。