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米中が韓国巡り綱引き 北朝鮮問題で外相・高官協議 

日米韓3カ国は2日、安全保障担当の高官協議をワシントン近郊で開き、北朝鮮の非核化や中国への対応に関する協力を確認した。中国は3日、韓国との外相会談を福建省アモイで開催した。対立を深める米中が韓国との連携を巡って綱引きする構図が鮮明になった。

「共通の安全保障上の目標を守り、前進させるために努力する」。日米韓は協議後に共同声明を出して強調した。バイデン政権発足後、対面で初の高官協議だった。

北村滋国家安全保障局長とサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)、韓国の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が出席した。

声明は中国を念頭に「インド太平洋地域の安全保障を含む共通の懸念」を話したとも記した。半導体など重要品目の安定供給網(サプライチェーン)の構築といった経済安全保障の協力も協議したとみられる。

今回の協議は対北朝鮮政策の見直しと対中戦略の確認が主眼だった。トランプ前政権で停滞した北朝鮮との非核化交渉を検証し、新たな方針を日韓と擦り合わせた。

前政権は韓国との合同軍事演習を一部中止し、日韓関係の改善にも関心が薄かった。バイデン政権は3カ国の歩調を合わせて非核化を訴える。

焦点となるのは韓国の立ち位置だ。北朝鮮との対話再開を主張する文在寅(ムン・ジェイン)政権は米国との外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の共同声明で「非核化」に触れなかった。

北朝鮮の反発を懸念したとされ、3月に北朝鮮が発射したミサイルは「弾道ミサイル」と認めていない。

対中政策も同じ構図となる。韓国は中国を刺激しないように米主導のインド太平洋戦略への関与に消極的だ。米韓2プラス2の共同声明は中国の名指し批判を避けた。中国への懸念を明示した日米2プラス2との違いが浮き彫りになった。

日米にオーストラリアとインドを加えた4カ国による協力の枠組み「クアッド」にも韓国は参加していない。

 会談に先立ち握手する韓国の鄭義溶外相(左)と中国の王毅国務委員兼外相=3日、中国福建省アモイ(聯合=共同)

中国は米韓関係にくさびを打とうと試みる。日米韓協議直後の3日、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相と会談した。

場所は台湾海峡に面する福建省アモイ。台湾は米中間の火種の一つだ。鄭氏は就任後初の海外訪問で、米国よりも先に中国へ足を運んだ。招待したのは中国側だった。

韓国側の発表によると両外相は朝鮮半島の非核化目標を共有すると一致した。中韓による主導を演出する思惑がにじむ。

中国国営の新華社によると今年前半に外務・防衛担当の初の次官級協議を調整するとも合意した。これまでの局長級から格上げする。

王氏は半導体や高速通信規格「5G」、気候変動問題などの分野で協力強化を呼びかけた。対中輸出への依存度が高い韓国経済や北朝鮮への一定の影響力をテコに、日米の強硬姿勢と距離を置くよう促す構えだ。

鄭氏は3月の記者会見で「韓米同盟を土台にし、韓中関係も発展させるのが韓国政府の確固たる立場だ」と述べた。

文政権は当面、米中両にらみの外交を続ける見通しだ。米国がどこまで許容するかは、北東アジア情勢を左右する要素となる。

(ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介、北京=羽田野主)

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