米大学、ブラックストーンの不動産ファンドに5100億円
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【ニューヨーク=伴百江】米大手投資ファンド、ブラックストーンは3日、同社が運営する非公開の不動産投資信託(通称BREIT)にカリフォルニア大学が40億ドル(約5100億円)投資すると発表した。BREITの既存の資産10億ドルと合わせて同大学と共同で長期の不動産投資も手がける。米不動産市場は22年にブームが一服したが、今回の大型投資は不動産投資の長期的な収益に期待する機関投資家の姿勢を反映している。
カリフォルニア大学(UC)は米国の州立大学の中でも最大規模の大学群。UCシステムと呼ばれる州内の複数の地域の10大学から構成される。全体の学生や教職員数・年金受給者は約60万人で、運用資産は総額約1500億ドルに達する。このほど40億ドルをBREITに投資し、既存のBREITの資産10億ドルと合わせて両者が不動産の投資事業で連携することで合意した。
米国の住宅や物流施設などに投資して運用するBREITは22年の年初から11月末までの利回りが約8.4%と、上場REITや米国株、米国債などの不振とは対照的に好調だった。BREITは投資家の資金を集めてきたが、昨年末にかけてはアジアを中心に解約が増えたため、解約を制限した。住宅市場の変調が投資家心理に与える影響を懸念する声も出ていた。
今回の大型投資はブラックストーンにとっては追い風になる。スティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)はカリフォルニア大による投資について「BREITのバランスシートと投資資金の配分に柔軟性を与えることができ、投資家全体に恩恵をもたらす」と説明している。
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