米フォードの10〜12月、90%減益 欧州・中国が不振

【ニューヨーク=堀田隆文】米フォード・モーターが2日発表した2022年10〜12月期決算は純利益が約13億ドル(約1700億円)となり、前年同期と比べ90%減となった。主力の北米市場の収益は拡大したが、欧州と中国は採算が低下し、全体の足を引っ張った。欧州では人員削減など事業再編を進めており、収益改善が進まなければ、追加のリストラ策を実施する可能性がある。
22年10〜12月期の売上高は17%増の440億ドルだった。世界販売台数(卸売りベース)は約114万台で4%増えた。
主力の北米市場は、販売台数が6%増の63万台となって増収を確保し、EBIT(利払い・税引き前利益)も増えた。だが、欧州は販売が増えた一方でコストが増大し、EBITベースの赤字が拡大した。中国は販売台数が37%減となり、こちらも赤字が増えた。
フォードは欧州で、ドイツ工場を中心とした人員削減を検討するなど事業再編に着手している。22年10月には、多額を出資した自動運転スタートアップを清算し、人工知能(AI)を活用した高度な自律走行車の開発をやめる方針を示した。投資の絞り込みと収益改善を進めている。
競合の米ゼネラル・モーターズ(GM)が1月下旬に発表した22年10〜12月期決算は、純利益が前年同期比15%増で、2四半期連続の増益だった。米国市場で半導体不足が緩和し、生産・販売水準が回復し始めるなか、企業収益に差がつき始めている。