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米量的緩和縮小、11月に開始 資産購入月額150億ドル減

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【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)は3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米国債などの資産を購入する量的緩和縮小(テーパリング)を11月から始めると決めた。資産購入の月額を計150億ドルずつ減らす。パウエル議長は高インフレがいずれ落ち着くと語り、「いまは利上げのときではない」と断言した。

FRBは新型コロナウイルス危機に対応した緩和策を修正する転換点を迎えた。パウエル議長は焦点のインフレについて「供給制約が想定より大きく、長く続いている。2022年にかけて続く」と指摘した。同時に供給制約の解消につれて「インフレも落ち着いていく」と述べた。雇用は22年後半に最大雇用に達する可能性に言及した。

パウエル議長は「いまはテーパリングのとき」、「利上げは時期尚早」と明言した。長引く高インフレに「後手に回っていない」と訴え、「忍耐強くいられる」として早期に利上げする必要性を退けた。FOMCは声明でインフレの認識を従来の「一時的な要因を広く反映」から「一時的と見込まれる要因を広く反映」に微修正した。

2~3日に開いたFOMCはゼロ金利政策の維持を決め、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標を0~0.25%に据え置いた。投票権を持つパウエル議長ら11人の全会一致で決めた。

FRBは20年3月に量的緩和を再開し、米国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を同400億ドル購入している。これを11月から購入月額を米国債100億ドル、MBS50億ドルの計150億ドルずつ減らしていく計画を正式に決めた。

FOMC声明は「毎月同様に縮小することが適切と判断しているが、経済情勢の変化により調整する用意がある」とした。順調なら8カ月で購入額はゼロになり、22年6月でテーパリングは終わる。パウエル議長は「22年半ばまでに終わる」と述べた。

FRBの総資産は8兆ドルを超え、危機下の1年半で倍増した。テーパリングで徐々に絞っても追加の資産購入は続くため、当面は緩和的な金融環境を保つ。

パウエル議長は8月下旬まで高インフレの原因が「一時的」であることを力説していた。米金利先物市場はここ1カ月、22年に2回の利上げがあるとの予想を急速に織り込んだ。労働市場は求人需要が強く、人手不足が深刻なため、雇用回復が続くとの見方が多い。FRBの利上げ時期が前倒しされるかどうかに市場の関心は移っている。

前回9月のFOMCは参加者18人が中期の経済・政策見通しを示し、半数の9人が22年の利上げを見込んだ。物価上昇率は21年は4%台に高止まると予測し、22年以降に目標の2%をやや上回る水準に落ち着いていくとみている。

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