Netflix、北欧ゲーム会社を買収へ 開発・採用に弾み
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【シリコンバレー=佐藤浩実】米ネットフリックスは2日、スマートフォン向けゲームを開発するフィンランドの上場企業ネクストゲームズを買収すると発表した。買収額は6500万ユーロ(約83億円)。映画や書籍を題材にしたゲームづくりに定評がある同社を取得し、新作の開発や人材採用の強化につなげる。
株式の公開買い付けを実施し、6月までに買収手続きを終える計画だ。ネクストゲームズの従業員は約120人で、2020年の売上高は2720万ユーロだった。ネットフリックスのドラマ「ストレンジャー・シングス」を基にしたパズルゲームを制作しており、これまでも両社は協力関係にあった。
ネットフリックスは21年、動画配信サービスの利用者向けにモバイルゲームの提供を始めた。現在は隙間時間に遊ぶパズルゲームなど10作あまりを配信している。ゲーム事業を率いるマイク・バーデュ副社長は声明で「ネクストゲームズを中核スタジオとして加え、社内の開発能力を高める」と述べた。
モバイルゲームの開発が盛んな北欧地域での人材採用につなげる狙いもある。フィンランド政府によれば、同国では20以上の大学がゲーム開発の講座を持つ。「アングリーバード」や「クラッシュ・オブ・クラン」の開発会社も立地している。
ネットフリックスは21年9月、米カリフォルニア州でもゲーム開発会社を買収した。同社による買収は開発人材の獲得が主な狙いだが、ゲーム業界では既にユーザーの多い作品のIP(知的財産)をめぐり数兆円規模のM&A(合併・買収)も相次いでいる。