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米経済「緩やかに拡大」 地区連銀報告、物価上昇加速も

(更新)

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)は2日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、1月中旬以降、新型コロナウイルスの感染急増で「企業活動は一時的中断された」ものの、米経済は「緩やかに拡大した」と総括した。同時に物価上昇の「ペースは強く、一部で加速した」と報告した。

同報告によると、コロナ感染急増で、スタッフの欠勤が増え企業活動に影響が出たほか、ホスピタリティー産業への需要が一時的に減った。厳冬も影響し、個人消費は前回報告と比べ全般に弱まった。

製造業は緩やかな成長を維持したが、供給網の乱れや在庫不足が引き続き足かせとなった。企業の短期見通しは、大きく変わらずおおむね楽観的だったが、不透明さの高まりも指摘された。

雇用増は緩やかだった。さまざまな分野に広がる強い労働需要と、同様に広範囲の労働者の不足が続いた。退職・転職の増加で多くの企業が必要な水準のスタッフを維持できず、コロナ感染者の急増が状況を悪化させた。

企業は引き続き、働き手をひき付けるために報酬の引き上げや柔軟な働き方の導入を進めているが、成否はまちまちだった。リッチモンド連銀地区の企業は、賃上げや福利厚生の追加などの努力にもかからわず「より高賃金だったり、完全に在宅勤務できたりする他社に従業員を奪われた」と報告。クリーブランド連銀地区の人材派遣会社は「企業はこれ以上支払う能力がなく、低賃金の職の賃金上昇は鈍化する」との見方を示した。

物価は強いペースで上昇し、一部地区は加速を指摘した。輸送・労働コストの高まり、原材料不足などで仕入れ価格が上昇しているのが主な要因で、企業は消費者への転嫁がしやすくなっており「値上げしても需要の強さは変わらない」と報告した。

企業は、仕入れコスト上昇分の転嫁で「今後数カ月値上げがさらに続く」とした。ニューヨーク連銀地区の大規模小売りチェーンは「商品確保のコストが高まっている」として大半の品物を年間を通じて値上げしていく方針を示した。

同報告は2月18日までの情報に基づき、全米の12地区連銀の経済動向をまとめたもので、3月15~16日に開く次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料となる。

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